北アルプス針ノ木岳(2820m)山行記録



山行日 2003年4月26日(土)〜27日(日)
参加メンバー CL花折(敬)、SL奥西、中野、花折、吉野
コースタイム
4/26(土) 大久保発16:10 〜 扇沢駐車場着21:40 〜 就寝23:15
4/27(日) 起床4:25 〜 扇沢駐車場発5:20 〜 大沢小屋6:25 〜 針ノ木小屋9:13着/9:40発 〜 針ノ木岳11:10/11:30 〜 大沢小屋12:45 〜 扇沢駐車場着13:15 〜 大久保着21:00
山行報告
当初は4/25(金)の夜出発であったが長野県の4/26が雨予報の為、日程を1日ずらして出発した。大久保からは奥西さんの車に中野さん、吉野が乗り扇沢駐車場で花折さん夫婦と落ち合ったが駐車場に着くまでの道路は上に登るにつれて段々とガスが濃くなって走りにくかった。駐車場に着くとここは有料、無料を合わせて確か400台位は置けるはずであるが無料の所は満車に近い状態であり霧雨の中ヘッドランプを照らして置き場所を探し回る。その後、花折さんの車で宴会となり私はあまり飲めないはずであったが不思議とビールが軽く飲めて楽しい一時であった。
4/27(日)朝
 うつらうつらしていたら車の窓をノックされて飛び起きた。急いで朝食を取り準備をして出発したが付近はすでに明るくなっている。
 出発時の天候はガスの為視界150m、気温2℃、風ナシという状態であり駐車場付近は1m位の積雪となっている。駐車場から針ノ木雪渓を登る時、夏道は大沢小屋まで左岸にルートを取っているが本日は最初から右岸にルートを求めて雪の上を歩いて行った。踏み跡は明瞭でなく入山者は少ないようである。という事はあの駐車場にあった車の人達はどこに行ったのか?トンネルを通り立山方面に行ったのか? 駐車場から歩き始めて30分もすると古いデブリ(雪崩の跡)が現れた。
 大沢小屋までの中間位置位の為、鳴沢側からの雪崩によるものなのか?昔、正月頃この付近を歩いた事があるがデブリの記憶は無い。6時20分、大沢小屋に着く少し前にガスが晴れて後立山連峰の稜線が姿を現しつつあり、7時半には完全に晴れて雪をまとった爺ケ岳の南峰が優美であった。
 気温4℃、風ナシ、視界が効くようになると先行パーティーが直接スバリ岳方面に登って行くのが小さく見えてもう今の時期、周囲を見てもナダレそうな斜面は無かったように思われる。針ノ木峠までの急斜面をあまり休憩も取らずに登り切ると目の前に針ノ木小屋が現れた。針ノ木小屋から先は最初少し岩混じりの稜線を進むが途中から全くトレースの無い右の斜面をトラバースして進む事になり、ここを中野さんもトップで歩いたが後で見ていて歩き方の安定感が目に付いた。
 その後、最後のコルで又稜線に戻り11時10分、針ノ木岳に達した。北アルプスの山々はかなり雪を落として地肌を見せてはいるが天候にも恵まれて360°の素晴らしい展望を楽しんだ。気温10℃、風速3m/秒、下山は花折さんが針ノ木岳直下のマヤクボ沢をスキーで滑降する。上部斜面雪壁の傾斜角度は45°位あると思われスゴイなと思った。忍さんも頂上の少し下のコル付近から滑降を始め右に左にターンしながら見えなくなってしまった。残った3人は針ノ木小屋まで戻らずに稜線途中からマヤクボ沢に下りていった。雪が腐り日差しが強い中、歩くのが厭になるとシリセードをして楽しみ又、歩くといった状態でハイペースで駐車場まで戻り車に乗った時にはホッとした。
 その後は大町温泉に寄り汗を流して山菜ソバを食べて帰途についた。信州は今、春真っ盛りである。里には桜が満開となっており山を仰ぐと後立山連峰の稜線が白く輝いていた。長い間忘れていた光景が今、目の前に広がっていた。最後に私自身、今回は一般的な5万分の1の地図(昭文社)を持参したが谷を歩く時は大小いろいろな沢が入り組んでいる為、場所を判断するのに無理があると思った。
 沢登りも同じであるがやはり国土地理院の2万5000分の1の地図が必要である。

針ノ木岳山行報告  奥西

 予定は4月25日(金)夜に出発して、25日(土)に登頂して帰るということであったが、台風崩れの低気圧が、その先の低気圧に合流して25日には悪天候になり、26日には、低気圧が通過して晴れるということが確実に予想された。それで、リーダーの花折さんに日程の変更を提案したところ、1日ずらそうということになり、みんなに連絡したところ、オーケーということで、25日に出発することにした。 結論としては、大正解で、春の雪山を満喫できた。
 25日は午後4時に出発にしたので、地図などの買い物に街に出ることもでき、出発まで余裕が持ててよかった。 吉野、中野郁と3人で、午後4時、近鉄大久保駅を出発して一路扇沢の駐車場に向かった。途中運転を交代しながら順調に走った。ただし、扇沢の数キロ手前から、霧が出てきてほとんど視界が利かず、慎重に運転した。道横には雪が積まれていた。
9時半前後には扇沢に到着。駐車場に着くとびっくり。数百台はとめられる駐車場が、ほとんど満杯ではないか。どうしてこんなに多いのか。とにかく駐車スペースを確保して、ホテル花折号で恒例の宴会と相成った。今回は、5人というちょっと寂しいメンバーであったが、時間的な余裕もあり、例のとおり盛り上がり、その後、明日への山行に思いをはせながら2台の車に分かれて就寝となった。
26日(日)は4時に起床して、準備をして、5時20分に出発した。もう空は明るくなっていて、今日の天気を約束してくれる、青空も顔を出していた。
ゲートの横から、左手の雪が1m以上積もっている林に入り、すぐに川を渡り、右岸沿いに取り付いた。夏道はそのまま川を渡らないで進み、左岸沿いを大きく迂回してつけられているようである。
川に沿って、先行者のトレースが続いている。また、スキーの後や古い足跡など結構歩かれているみたい。迷うことはない。この右岸沿いが歩けると、大沢小屋までは早くいけるそうである。谷にはものすごいデブリが堆積している。
途中休憩して、地図を取り出して、辺りの景色と現在地を確認したが、どうも間違っていたようで、大沢小屋までもっとあると思っていたのに、すぐに小屋が現れてきた。小屋の手前の、堰堤の下で左岸沿いに渡り返す。この辺りまではだらだら上りであったが、ここから急登になる。川も雪の下に潜ってしまう。花折さんたちもスキーをはずし一緒に上る。前に3人の先行者が見えるが、3人は右手の方の斜面を上っていく。
われわれは針ノ木谷をつめて小屋まで行くことにする。途中から、トレースがなくなり、自分たちでつけて上る。気持ちがよい。しかし、後から若者が一人、どんどん上ってきて、追い抜いていく。天気はもちろん最高である。風はなし。さんさんと太陽の光が降り注ぐ。最後は数百メートルの急登を休みもとらずに黙々と上る。尾根にやっと出る。ほとんど雪に埋まった小屋があった。ゆっくりと休憩。下を見ると,砂糖に群がったありの列のように、多くの人が登ってくるのが見える。
ここからは尾根筋を歩く。誰も歩いていないので,初トレースをつけて歩く。先頭を交代しながら進む。小ピークや大きな岩のあるところはその下を巻いて進む。結構急斜面なので慎重に進む。マヤクボ沢が登ってくる鞍部に来る。山スキーヤが思い思いのルートを取って沢の広い斜面を登ってくる。ここから急登をひと登りで針ノ木岳である。
針ノ木岳の頂上は360度の展望である。眼下に黒部湖。北の方面は,剱岳、鹿島槍、五竜、白馬へ続く稜線,南は槍が岳,東南方面は八ヶ岳,富士山とまだまだ白い山々が見える。ゆっくり休憩して,展望を楽しみ,もとの鞍部に戻り,マヤクボ沢を下る。急な下りであるが,雪がひざぐらいまで入るので,どんどん歩ける。花折さんたちはスキーで下る。2人ともうまい。我々も尻スキーなどもする。針ノ木沢も一気に下り,駐車場に戻る。今回はみんな足もそろい,天気も良かったので、思っていたより短時間で行動できた。帰りは,恒例の温泉に入り、桜で満開の信州を後にして帰る。



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