槍ヶ岳〜西穂高岳縦走報告 |
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山行日 | 2009年8月7日(金)夜〜10日(月) |
山域・山名 | 北アルプス 槍ヶ岳〜西穂高岳 |
参加者 | CL:奧西 SL:吉野 網岡く 若林 土岡(記録) |
行 程 | |
7日(金) | |
20:00 | 宇治出発 |
8日(土) | |
1:10 | 中房温泉駐車場着(仮眠=テントと車で) |
6:00出発−8:55 合戦小屋−10:00燕山荘−燕岳往復−1:00−12:05大下りの頭−13:25切通岩−14:30大天井ヒュッテ(宿泊) | |
9日(日) | |
5:30 出発−6:55赤岩岳−8:55 水俣乗越−10:40ヒュッテ大槍−11:35槍ヶ岳山荘−槍ヶ岳往復(1:05)12:40出発−13:25大喰岳−14:00中岳−15:15南岳−15:25南岳小屋(宿泊) | |
10日(月) | |
6:20 出発−8:35槍沢小屋−11:30新穂高温泉下山−20:15 宇治着 | |
報 告 |
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7月31日から予定していた山行を、天候不順のため1週間延ばした。しかし、今夏はずっと天候が思わしくなく、今回も3日目に、急に発生した台風の雨のために3日目からの山行を中止して下山ということになった。 中央道を走っているときは雨の所もあったが、翌朝は青空も出ていて、雨に降られることは何とかなさそうという天気になった。中房温泉の登山口にはすでに多くの登山者がいる。さすが人気ルートだけある。 |
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8月7日(金) |
「合戦尾根登山口」 ここは標高が1450m 2700mの燕山荘まで、 1250mの標高差の急登を登る。 ゆっくりと登っていくが、 蒸し暑く汗がだらだら出る。 |
この合戦尾根は北アルプスの3大急登と言われている。確かに急登ではあるが、道は良く整備されているし、ゆっくり登れば、あえがなくてもよい。 最初は何組かのパーティーが我々を追い越していく。しかし、ゆっくり登っても、最後には我々が先に行くことになる。 |
「合戦小屋」 標高2380mにあるこの小屋に着くと、ほっこりした気分になる。 名物のスイカをほうばる。大きなスイカの1/8サイズ (800円)を食べ、おなかがポンポン。 生き返った気持ちになり、さあ最後の合戦尾根の登りをがんばろう! |
様々な花を目に入れ、楽しんだり、今日まだ歩く表銀座の縦走路を眺めながら登ると稜線に出る。燕山荘着。北鎌尾根を従えた槍ヶ岳が目に飛び込んでくる。 燕岳に行ったことがない人がいたので、往復することにする。ザックをデポして空荷で往復。途中コマクサの大群落を見ながらのんびりと行く。 |
「燕山荘前で」 バックの山は、これから行く燕岳(2762・9m) ガスもかかっているが、天気は何とか持ちそう。 |
ここからの稜線歩きは、大きなアップダウンもなく快適だ。しかし、蛙岩過ぎてから標高差100mほどの大下りがある。登り返して為衛門吊岩を過ぎ、稜線歩きを楽しみながら行くと切通岩に、鞍部には小林喜作のレリーフがはめ込まれている。 大天井岳への道を分け、大天井岳の山腹を巻いて岩稜の道を行く。斜面は大小様々な岩で被われている。地震でも起こって、岩がくずれてきたらひとたまりもないなと思いながら慎重に歩いていくと、眼下に大天井ヒュッテが見える。 急斜面を下ってヒュッテ着。玄関が改装されていて、大変広くなっていて落ち着ける。みんなで乾杯といきたいが、他の4人は、あまり飲酒はしないので、代表しておいしい酎ハイをいただきました。 宿泊者は多くなく、一部屋を我々だけで泊まることができ、ゆっくり就寝できた。 8月9日(日) 今日は一番長時間の歩行になるはずである。10時間を予定している。東鎌尾根から槍ヶ岳に登り、そこから大喰岳、中岳、南岳と3つの峰を越えて南岳小屋まで行く。 今日も晴れという天気ではないが、雨が降っている訳でもない。ガスがかかっているが、切れたりする。山行中、ガスで被われると雨がぱらぱら降ってきてあわててカッパを着るが、すぐにやんで脱ぐということが何度かあった。 朝のうちは富士山が見えたり、間近に槍の穂先が見えたりした。 ヒュッテ西岳までの稜線は展望がよいのと、黄、白、紫、ピンクの様々な花が登山道脇や斜面に咲いていて、気持ちの良い歩きができる。 |
「展望のよい稜線」 北鎌尾根からの槍ヶ岳 (3180m) この時間帯は、周りの山々をはじめ、常念岳の右後ろに富士山までもが視界に。 |
ヒュッテ西岳を過ぎると、東鎌尾根にはいる。まず水俣乗越までの急な下りになる。梯子や鎖を頼りに下っていく。小ピークを登り降りして乗越に着く。 網岡国さんが近々ここから天上沢に下り、花折さん達と北鎌尾根に挑戦する。 ここから、槍ヶ岳山荘に向けての岩稜帯の苦しい登りが待っている。梯子が何カ所かつけられている。登りながらのアップダウンであるので結構苦しい。 ヒュッテ大槍からはひと登り。張りの穂先の基部を横切ると、やっと槍ヶ岳山荘に着く。若林さんが初登頂である。雨で登れないのを心配していたが、何とか登れそうである。 槍の穂先を見ると、なんと人人人、頂上までつながっている。どれだけに時間がかかるのか。仕方がない、順番だ。ぼちぼちだがだんだん上に行く。 |
「槍ヶ岳頂上で初登頂の若林さん」 頂上も人で超満員。祠の前で写真を撮りたかったが。 岩登り初心者の高校生の大集団よりも先に降りなければとのことで、頂上には1分ほどの滞在。 |
まだ我々は、3つのピークを越えての3時間の歩きが待っている。まず大喰岳(3120m)。ガスの中をみんなが知らないうちに通過。 |
「ガスの中の大喰岳」 岩がゴロゴロの平原のような頂上部。 写真左上部に山頂の標識。 |
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右の写真「南岳(3033m)」 |
岩稜の山の中岳(3084m)の手前で、ツアーの大集団が下ってくるのを待ち、中岳へ。 そして、コルに下り、だらだらとのぼり返すと南岳。 後ろの雲もだいぶ怪しくなってきて、天気は下り坂。 |
右の写真 「下方に南岳小屋」 やっと着いた。 |
やっぱり10時間の行程は長い。 小屋は外の感じから見るのと大違いで、きれいな小屋だった。こんでいると聞いていたが、上段の1区画を使えたので、ゆっくり休めた。テレビやパソコンで天気予報が調べられる。 昨日吉野さんがとってくれた天気予報で、遠くにあると思っていた熱帯低気圧が急に台風に変わり、近畿地方に接近していて、その影響か、こちらも明日は100%の雨。これからが本番というに、仕方がない、相談して下山ということにする。 8月10日(月)はやっぱり朝から雨。南岳新道を下る。この道はなかなかの急降下で、何カ所も梯子が設置されている。槍平小屋に着くとほっと一安心。ここからは川沿いにだらだらと下っていく。 ほとんど休憩もとらずにうんざりするほど歩くと白出沢に着く。ここからは林道歩き。1時間弱で新穂高温泉に。回送してもらった車が駐車場に、温泉に入り帰京。家で新聞を見ると、北鎌尾根で2名が転落で死亡の記事が出ていた。 また来年リベンジとしよう! |