北海道 山行報告

山行日 2011年7月3日(日)〜13日(水)
参加者 奥西(CL・運転)、佐竹(総務)、那波(会計)、北村悦(渉外)、谷節(渉外)、若林(救護)、三原(食料)、荻野晃(渉外)、計8名  報告:佐竹

7月3日(日)
奥西リーダーがそれぞれの家を回り、夜8時頃8人全員集合、宇治を出発する。順調に進み、午後11時前舞鶴港着。乗船。

7月4日(月)
0時30分、北海道の小樽港に向け、フェリーで出航。
退屈するかと思いきや、日頃の疲れを睡眠で補う者、運動不足と甲板を走る者、それぞれに時間を過ごす。辺りは海のみ。夕食はみんな揃って好きな物を食す。20時45分、予定どおり小樽港着。スタープラザ芦別まで車を走らせ、テントを張って休む。


1日目 7月5日(火) 報告:佐竹

富良野岳(1911.9m)

 4:00 起床。テント撤収。洗面・食事。
 5:10 スタープラザ芦別の駐車場、出発。
 6:20 十勝岳温泉の駐車場着。トイレをすませ、ストレッチをする。辺りはガスって展望はない。寒くなりそう。
 6:40 駐車場スタート。体調に不安を持つ者もいて、ゆっくりと歩き始める。
 7:00 三段山分岐、通過。
 7:20 川を渡る。
 7:47 上ホロ分岐を過ぎた所で休憩。空模様が怪しくなってきて雨が降り出す。合羽を着る。いよいよ展望がなくなり、回りの景色は見えなくなる。


たぶんいつもより水量が多いと思う。
この数日の間に雨が少し降ったから。

 8:07 出発。少し登って、なだらかな斜面になるはずが、雪がある。
ええ〜もう雪!目の前に5メートルほどの斜面がある。登れても、帰りが怖いなあ、と思う。上がると雪面が続いている。ストックをさしながら慎重に上っていく。山道になったと思ったら叉、雪渓。踏み後を探しながら横断していく。何度横断したろうか。


結構急斜面なので慎重に通過する。

 9:20 10分休憩。
 9:30 再スタート。順調に登っていった所にまたまた雪渓。踏み後が少し付いているが、だいぶ長く、また斜面が急で、落ちると止まらない。みんなが渡るのは無理だ。リーダーを呼ぶ。リーダーもここを渡るのは無理と判断。右手の木々の斜面を調べる。ルートがあったらしく、みんなを呼ぶ。リーダーが先頭で、ペットボトルを印におき、歩いていく。斜面のエスケープルートになっているようで、斜面をおりると道に出た。頂上はもうすぐだ。ツガザクラやコケモモの花が綺麗に咲いている。


富良野岳1912.1m
全く視界がないが、雪を踏みしめての北海道最初の山に登れて、みんな感激。

10:40 富良野岳頂上着。全く視界なし。写真を撮り、休憩を少しして、名古屋からの12人の団体の後、すぐに下りる。
10:55 下山開始。みんなの頭の中は、あの斜面の壁をどう下りようかということだったろう。
11:30 休憩5分
12:45 雪渓と雪渓の間の岩場で休憩10分。少しいくと、いよいよあの急な斜面の壁だ。ガイド山行のグループはザイルを出して下りたようだ。ザイルを巻いてかたづけている。さて、我がリーダーは先に行って足場をしっかり固めてくれた。オッケイの合図で下り始める。下では奥西リーダーが見守ってくれている。ゆっくり一人ずつ下りていく。しっかりついている足場に、安心して下りていけた。みんなほっと胸をなで下ろす。
上ホロ分岐を過ぎたあたりから、ガスがなくなりまわりの景色が見えだした。安政火口の黄土色の山肌も見れる。こんな所を歩いていたんだと認識する。


大雪山系は火山の山
 前方には、荒々しい安政火口の山肌が見える!

13:40 川を渡る。ここからは、行きには見えなかった景色をながめながら楽しんで歩く。
14:15 十勝岳温泉駐車場に到着。難関を2箇所くぐり抜け、全員無事、富良野岳登頂。良かった、良かった。
トイレをすませ、靴を洗い、今日の宿泊所、吹上温泉の白銀荘に行く。素泊まり温泉付きで2600円の宿だ。ゆっくり温泉で汗を流し、慰労会・夕食になる。みんなの協力のもと、大根サラダとカレーライス。翌朝はみそ汁におにぎり。それにコーヒーつき。三原さんの配慮のもと、スムーズにいきました。


2日目 7月6日(水) 曇り 濃霧  報告:谷節子

十 勝 岳(2077m)

 6:05 白銀荘を出発  今日は、いいお天気のはずが・・・・すごい霧・・・・「 運転も大変だな〜」と思いつつ車に乗り込む
 6:45 望岳台、十勝岳登山口着  少し食べ物を口」にして、いよいよ十勝だ〜〜〜昨日の富良野岳の雪渓が、頭をよぎる・・・・・「なければいいな〜〜〜」実は、富良野で雪渓をわたるのに苦労した。歩き始めると、もっと草木で足元をぬらすのかと、思っていたが、草木は、低くザラ場ではじまった。
 7:25 衣類の調節  雨がぽつぽつ降り出す、なにより風が強くなり「これから先は、衣類の調整が出来ない」と言われる。手袋やカッパを着る。
 7:55 雲の平分岐
 8:05 避難小屋着  休憩   建て替えたらく新しい
 8:18 出発   ゆっくり、ゆっくり、足取りに気を付け、ザラ場をもくもくと歩く。
風の音、靴音、遠くから聞こえる鈴の音、手袋もぼうしもすっかり濡れ濃霧の中を歩いた。
 9:30 望岳台着  ザラ場で、いっそう風と霧が強くなる、岩の黄色のペンキマークを確認しずらい、昭和噴火口を通過し、しばらく登ると急とうになり、ザラ場から粘土質になる。  硫黄の臭いがする。 ねちねちと靴底にまつわり着く  緩斜面の横には、大きな雪渓が残っていた。


緩斜面の道を進んでいくと、大きな雪渓が行く手を阻む!ここを行くの?いえいえ右の急斜面を登る。
歩きにくい!踏み跡がいくつもある。濃いガスの中をきょろきょろしながら登る。



十勝岳(2077m)山頂
濃いガス、強い風、とにかく写真を撮ったが、みんなちゃんと入っていなかった。

10:40 山頂  やっと山頂だ ーー風も霧もいちだんと強くなり展望もまったくなし早ばやと記念写真、お弁当を広げた人もいたが[下りるで〜」の一声で
11:50 下山



11:35 昭和噴火口着  この辺りに来ると風も霧も少し晴れ、やっと休憩、めいめいに色々ほおばり、ほっとする 後もう少しだ。途中元気な道警の新人研修の人達と会う  元気いっぱいだ
避難小屋へあと少しの急降下 
ガスもなくなりすばらしい景色を見ながらの下山
避難小屋のところで誰かが手を振っている
12:45 避難小屋着
13:05 ここにも元気で可愛い小学生の一行に会う 元気を貰って出発
14:10 下山  花も展望もなかった山だったけど、北海道の山は大きいな〜と思った


振り返ると十勝岳が!まん中のピークが十勝岳 山頂はちょっと奧 登った稜線も眺められる

15:00 天人峡着  トムラウシ山登山口17キロの立て札が目に着く、若林さんは、登ったことがあるそうだ。私もいつか行くことが出来るだろうか・・・・
羽衣の滝を見学、ふっとニュージランドの滝を思いだした。
16:00 大雪山白樺荘にむけ出発


羽衣の滝


3日目 7月7日(木)晴れ  報告:三原

旭 岳(2290.3m)

 6:05 宿出発 宿の前の川が涼しげな音を立てて流れている。今日は大雪山最高峰の旭岳に登る。朝食のおにぎり弁当をリュックにつめ出発。
 6:10 駐車場着 旭岳駐車場までは5分程。早朝のため駐車場は広々としている。
 6:30 山麓駅発 ロープウエイは標高1100mから1600mを結び約10分の空中散歩。トップシーズンは15分間隔で運行されている。
 6:40 姿見駅着 ロープウエイを降りるとハイマツ帯で一面のお花畑が広がっている。遊歩道となっていて木道が敷かれている。
 6:45 駅出発 エゾツガザクラ、チングルマ・・・キバナシャクナゲは大群落で見事であった。
 7:10 姿見の池 池のまわりはまだ雪が解けず旭岳の雄姿を閉ざしていた。一般の観光の方も多く散策を楽しんでおられた。ここで朝食をとる。


姿見の池からの旭岳 今年はここも雪が多い

 7:25 池出発 姿見の池から頂上を目指し出発。左手下方にはシューシューと音をたてて今も白煙を吐き出していた。
時折、縦走する登山者が大きな荷物を背負いゆっくり登っていく。
 8:35 八合目 水分補給の小休止3分(リーダーはこれ位の上りは一気に歩けと言われたが)最後の登りは急で大汗をかく。
 9:15 頂上着 頂上からの眺めは素晴らしく、比布岳、北鎮岳等が確認できた。虫が多く、特に虫に好かれるNさんは大変だった。各々カメラにおさめ、早々に下山開始。


旭岳山頂
天気が良く 360度の好展望



頂上から8合目までは急な下り。ザレ場に足を取られないように、慎重に下る。

 9:55 八合目 休憩10分。トムラウシや十勝連峰の眺めも素晴らしかった。
10:50 姿見の池 ゆっくり休憩25分。ゆっくり展望を楽しむ。
11:30 姿見駅着 着くやロープウエイは出るところ。15分待って
11:55 旭岳山麓駅着 今日の山行、終了。
13:00〜
14:30
下山後、今日の宿までに時間に余裕ができ、全員一致の希望で旭山動物園を見学することとなった。動物の行動や習性を研究し、生き生きとした動物の姿が見られ、皆、大満足。幸運にもオランウータンの高所移動する姿も見られた。しかし、北海道とは思えない暑さであった。
17:05 ホテル着 ポンピラアクアリズイング(ぽんぴら温泉)



4日目 7月8日(金)晴れ時々曇り  報告:三原

稚 内〜利 尻 島 (移動日)

 7:55 ホテル出発  今回の北海道山行が実現したのは花折さんからCL奥西さんに利尻岳に一緒にどうですかとのお誘いがあって実現したとのこと。
 9:55 稚内市立図書館 花折さん達の作品展に。短時間ではあったが皆さん方の創造性に富んだ作品の数々を見せていただき、材料の土、叉焼く炉によりステキな作品に生まれかわるのかを素人ながら感心しながらみとれていた。
10:30 稚内港着
11:10 出航  稚内港から利尻島までは約1時間40分。島がだんだん海に浮かんだように姿を見せ始める。
12:50 鴛泊港着 少し走って昼食。ウニ丼、タコカレー・・・
各々名物料理を堪能。


沓形岬公園へ行く途中 ウミネコが乱舞
 利尻山といっしょに、 はいパチリ!!

午後は沓形岬公園、仙法志岬公園、オタドマリ沼等島内を見学しながら一周する。皆さん、お土産購入にスイッチが入り、袋がどんどん増えつつあり、これから先が思いやられる。
17:20 宿「雪国」着 夜、宿で花折さん、久貝さんと合流し、にぎやかに夕食を共にする。


5日目 2011年7月9日(土) 報告:若林

利 尻 岳 1721m

 5:50 利尻北麗野営場の登山口を出発する。
これから1721mを登りはじめる。登り口には上り専用部分があり自然保護のため、靴底を洗いながら行く様になっていた。針葉樹林の中を歩いていくと、夜降っていた雨も朝にはやんで霧がおおっていました。両側は熊笹やふきがうっそうと茂っていました。少し行くと甘露泉があり北海道の名水で飲むことができ、冷たくて美味しかったです。
6:07 3合目につき、20分程朝食タイム。木の乙女橋を渡り、木の根のでっぱりやぬかるみで歩きにくい道を歩き続けました。少し明るくなったように感じた頃蒸し暑さも感じました。



 5:40 4合目野鳥の森で10分休んで衣服調整、これから登り坂が増え長い距離なので気をひきしめて歩きはじめる。樹林の下で小さなマイヅルソウ、富良野岳にもたくさん咲いていたウコンウツギが次から次ぎと咲いていました。道は歩きやすく皆も元気でした。
 7:55 6合目に着き第一見晴台で行動食をとり体力をつけ山頂までがんばろう!霧が少し晴れて尾根が見えてきた。
 8:25 7合目胸つき八丁、岩の道で急登になってきた。
 9:00 第二見晴台で小休止、標高1120mまで来た。後600mの登りがんばろう。風がなってきた。ゴゼンタチバナが両側に咲いていて疲れを癒してくれる。8合目長官山についた。一本だけハクサンチドリが咲いていて嬉しかった。
 9:20 利尻山避難小屋、小休止。ガレ場を歩いていくと9合目の手前で1時間先発の花折さんが下りてこられるのに会いました。意外と早かったと言ってもらえました。
 10:10 9合目1410m標柱には[ここからが正念場]とある。山頂までは急峻な滑りやすいザレ場で足を置くとザラザラと滑ってしまいそうで大変でした。この場所は崩れがはげしいようでした。ロープの張ってある所ではロープ゚にすがったりしてなんとか登り

 
利尻山山頂 祠がある

11:15 山頂到着。ガスが出てあたり一面真っ白で何も見えなかったのが風でスーと晴れたりした時、ろうそく岩が見えたりして、わずかなシャッターチャンスに写真を撮るのが忙しかった。正味1721mの山を元気よく疲れもなしで登りきりました。


山頂から見たローソク岩

11:40 下山。晴れてきた。滑りやすい道に気を付けて下りる。

 
9合目から上は、火山の土や石ころの急なザレ。      下る途中からは、ガスも晴れ青空に   
12:25 9合目。ここからは写真を撮りながら下りることにしました。
16:20 登山口。長い距離を行けるか心配でしたが無事に下りることが出来ました
皆登りきったという満足感でいっぱいでした。
良かった。  ばんざい!ばんざい!

利尻岳は簡易トイレが心要で現地で買って持って登りました。トイレブースは設備が整っていて上手く出来るようになっていました。終わった後はしっかりくくり袋に入れて登山口で捨てるようになっています。環境保護のため素晴らしいシステムだと思いました。全国の山で取り入れて欲しいです。


6日目 7月10日(日) 報告:那波

礼 文 岳(490m)

6:30 起床−−7:30 朝食−−8:45 宿を出発−−9:10 フェリー乗り場に着く−−9:30 鴛泊港出発−−10:10 香深港到着−−10:18 港を出発。

右手に海を眺めながら、北へ20分ほど走ると、道路の左手郵便局の手前に登山口駐車場(10:35)はあった。道路を挟んで10mほどの所に公衆トイレがあり、そばに靴を洗える水ためもある。


礼文岳登山口
 後ろには港が、海が!!

11:00 登山口は浜辺から15mほどで海抜0m。昨夜雨が降ったのか登山道に渡してある小さな戸板が、滑り止めがついているにもかかわらず滑りやすかった。最初の登り100mほどは、すこし急登だが、コガネイチゴやコガネギクの白い花が迎えてくれる。ミヤマオダマキも数本見られる。ガスがかかっていて遠望は出来ない。その後は緩やかな上りが続くが、道はぬかるんでいた。樹林内をタケカンバが占め林床はチシマザサとなり花は見られない。
12:00 コースタイムぴったりで中間地点 に着く。起登臼コースからの合流地点でもあるが、そのコースは今閉鎖されている。リーダーより休憩なしの指示でそのまま歩く。蒸し暑く汗が流れ落ちる。

 
ダケカンバとチシマザサの登山道               あと少しで頂上     
                             本州では2500mにならないと出てこない
                             ハイマツが400mの標高で見られる。
12:15 水分補給を要求し、立ったままで3分の水分補給。皆元気。
12:18 水分補給もそこそこに出発。10分ほど歩くとササ原の中にエゾカンゾウの小さな群落がありオレンジ色が目を惹く。視界はなく樹林の中を歩く。木々の背丈もしだいに低くなり、ハイマツなどが地を這う。その緑の中にゴゼンタチバナが可憐に咲いている。頂上かと思った峰は400mピークだった。一気に視界が開け、礼文岳が眼前に見えた。この頃からガスが少し薄くなってくる。ピ−クからの下りはガレ場になっている。上り返しは以外に急な登りで汗をかく。その中腹にはヨツバシオガマが4、5本ピンクの花をつけ、登山道の両脇にはゴゼンタチバナが山頂に導くように咲いていた。


礼文岳(490m)山頂
ゆったりと広い山頂だった。
海が見えるはずだが、ガスがかかっていて遠くの景色は望めない。

13:00 400mピークから約20分、山頂に到着。そこには一組の夫婦のみ。さえぎるものは何もなく、利尻富士も見えるはずだが、ガスがかかり、360度のパノラマは見えない。食事を摂りながら晴れるのを待つ。先着の御夫婦もガスがきれるのを待っておられたようだが、諦めて下山。私たちの後に登って来られた一人の男性もすぐに下山。山頂の片隅にカラフトイチヤクソウの小さな群落があった。一瞬ガスが流れるが・・・。
13:25 私達も後ろ髪を引かれながら下山。400mピークでも眺望はきかない。ピークから20分ほど経った頃、真上に青空が・・「あー、もう少し早く晴れてほしかった」と思いながら下る。内路まで1キロの標識を過ぎ笹原を歩くようになると、往路では見えなかった内路の海岸線が間近に見える。
さらにジグザグに急下降すると港が真下に見え、擁壁に架かる鉄ハシゴを降りると登山口に着いた。写真タイム2回の他は休憩なし、水分補給なしで下山。
15:20 登山口に到着。

 


礼文島は花の島のイメージがあるが、礼文岳は花の少ない地域で、下山後に行ったスコトン岬のほうが花は多かった。
最北端にあるスコトン岬周辺は草原状の台地で、シシウド、チシマオダマキ、カンゾウ、ハクサンボウフウ、チシマフウロウ、レブンソウなど多くの高山植物が咲き、その中の散策は足が浮き立つようだった。岬の1kmほど沖にはトド島が横たわっていた。秋から冬には本当にトドが来るらしい。
今日は登山というよりはハイキングみたいで楽しい1日でした。リーダーよりこれ位の山は、休憩なしで登り下り出来るように訓練しないとの一言がありました。


7日目 7月11日(月) 報告:奥西

礼文島 ― サロベツ原野

 8:45 礼文島 香深港出発
10:40 稚内港着 ノシャップ岬を見学  この後、海岸線に沿って走る道を南下。エゾカンゾウなどたくさんの花が咲いている。しかし、曇って利尻山は見えない。

 
乗船するフェリー                      ノシャップ岬

11:30頃 サロベツ原野 ここでもエゾカンゾウが原野を黄色く染めていた。圧巻としか言いようのない風景だった。その他、コバイケイソウ、トキソウ、ノハナショウブ、ヒオウギアヤメ等々
が競うように咲いていた。

 
エゾカンゾウ                          トキソウ

その後、サロベツ原野南部の長沼のある幌延ビジターセンター周辺も散策。28基(?)の風力発電が並んでいる発電所を見学して、
17:30頃 士別温泉「ホテル美し乃温泉」着



8日目 7月12日(火) 報告:北村悦

雨 竜 沼 湿 原

今日は今回最後の山、南暑寒岳の日である。予定では、5時間の行程となっていたが、調べてみたら、8時間はかかるコースであることが判明した。
そこで、移動の時間も考慮して、15時迄に戻れる所で折り返す事にして
 7:00 宿で朝食をいただいて、
 7:50 滝川町に向けて出発する。
 9:30 南暑寒荘前のパーキングに着く。 かなり広い無料の駐車場である。


吊橋を渡る。
川沿いの道を標高差300m登ると雨竜沼湿原に着く。

 9:45 登山届と環境保護協力金、一人500円を払って、歩き始める。天気は曇り砂利道のゆるい登りの登山道、両側はダケカンバの林で、クマザサにおおわれている。マシケレイジンソウに出会う。白い気品のある花である。
10:00 ペンケペタン川にかかる吊橋を渡る。しばらく歩いて行くと、落差40m、
かなりの水量の、白竜の滝を右に見て、


白竜の滝
 雨竜沼湿原から流れでる川にある滝で、水量が豊かで、轟音をとどろかせて水を落下させている。

10:20 二つ目の吊橋を渡る。その先は、岩だらけのぬかるんだ道が続き、どんどん高度を上げていく。ダケカンバの林が開け、湿原が近いと感じた頃、忽然と目の前に草原が現れた。雨竜沼湿原である。東西4キロ、南北2キロの高層湿原である。
11:25 湿原入口の展望台に着き、休憩。
前方にゆったりと南暑寒岳、その向こうに暑寒別岳、なんとも雄大な、すば らしい眺めである。行動食をとり、記念撮影の後、
11:40 湿原を歩き始める。時計回り、一方通行の木道である。


雨竜沼湿原を歩く
前方のなだらかな山が南暑寒岳1296m、右上後方の山が暑寒別岳1491m
結構雪で斜面が覆われている。

黄色が鮮やかな、シナノキンバイ、紫色の美しいノハナショウブとヒオウギアヤメ、サロベツ原生花園では、オレンジ色の地平線ぐらい群生していたエゾカンゾウもここではまだつぼみでちらほらと咲いていた。さすが高地である。
イワイチョウの白い花、ピンクのハクサンチドリがかわいい。初めて見る、クロバナハンショウヅル。鐘形の黒い花である。ついつい立ち止まって写真を撮りたくなるのだが、後ろから「立ち止ま らない!」とリーダーの厳しい声。何度も繰り返して、先生に叱られて
いる小学生みたいだねと笑いながら、それでも素直に立ち止まらないで見ながらゆっくり歩く。湿原を背に南暑寒岳を目指してひと登りすると、
12:35 湿原が俯瞰できる展望台に着く。上からよく見ると、丸い地塘が無数に点在する。
川が蛇行しながら東へ流れている。尾瀬ヶ原より、広々と開放的な感じがする。
今日の行動はここまでとして、帰路に着く。15分の休憩後、
12:50 出発。一方通行の木道を花々を楽しみながら歩く。こんなに素晴らしい、湿原なのに、人にはあまり出会わない。2,3人の少人数のグループにたまに出会うくらいである。やはり、ここへ入るまでのアプローチの不便さゆえだろうか。それとも平日だからか、いずれにしても、我々にと っては静かな山行でとても良い気分である。
行きと違って、リーダーから、写真撮影の許可が出て、皆ゆっくり花の 写真を撮ったりしながら、
13:35 湿原入口展望台まで帰ってくる。


登れなかった南暑寒岳
花いっぱいの雨竜沼湿原をしっかり目に焼け付け、ゆっくり休憩

13:50 休憩後出発。
14:45 第二吊橋通過。
15:05 第一吊橋通過。
15:15 南暑寒荘着。靴底やストックを谷川の流れで洗って、
15:35 滝川町へ向かって出発。
16:30 滝川町の温泉立ち寄り湯でさっぱりし、
17:30 小樽へ向けて出発。小樽で北海道最後のおいしい食事のあと、
23:30 舞鶴へ向けてフェリーの人となる。


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