白山山行 念仏尾根縦走報告 

山行日 2011年7月15日(金)夜〜17日(日)
参加者 CL:花折敬司  網岡国江  花折忍(明峰) 記録:奧西一博
行 程
15日(金) 午後8時 花折車・奧西車 京都出発 ― ひるがの高原SAで合流 ― 下山口の大白川の白水湖畔の駐車場へ・奧西車をデポ ― 網岡・奧西 花折車に乗車 ― 御母衣ダム下流の平瀬の道の駅「飛騨白山」で仮眠
16日(土)  6:40白川郷近くの馬狩・大窪の登山口出発 ― 赤頭山(鶴平新道) ― 野谷荘司山(1797・3m) ― もうせん平 ― 妙法山(1755・6m) ― 念仏尾根 ― 水場 ― ゴマ平避難小屋 15:30              行動時間:8時間50分
17日(日) 4:00起床 ― 5:20出発 ― いつの間にやら間名古の頭(2123・9m)の山頂直下を通過・振り返るとあれがそうだった ― うぐいす平 ― 地獄覗き ― 北弥陀ヶ原 ― 2349mピークを過ぎお花松原 ― 白山・御前峰(2702m)10:50 ― 室堂12:05発 ― 大白川・白水湖駐車場14:30
山行報告
花折さんから、夏山トレを兼ねて白山に行くがどうするという連絡が入った。北海道山行から1日あけての、日程としてはハードであるが、北海道も最後の3日間は、移動やハイキング程度なので、そう体力が消耗していることはなかろうと判断し、参加することにした。 車2台で行くと、登山口と下山口を別にすることができる。今回のルートは、それにぴったりだった。 「山は天気しだい」でたいへんな変化をするが、今回は「天気よし」の気持ちの良い山行ができた。また、このルートは長時間の行動時間が必要なのと避難小屋泊まりが必要になるので、ほとんど人が歩いていない(室堂へ着いてビックリ!数百人の登山者でごった返していた。3つの峰や登山道にも数百人の人。合わせて千人近くも)。今回も、ゴマ平避難小屋までは我々だけの静かな山行であった。さらに、このコースはいろんな種類の花が群落になって咲き乱れていて、花好きにはたまらないコースだろう。しんどいアップダウンの続くコースであったが、花が気持ちを和ませてくれた。
 
15日(金)
は、東海北陸道・荘川ICで降り、R156号を走り、御母衣ダムを少し北に行った平瀬温泉手前で林道にはいる。真っ暗で、車のヘッドライトだけでは、道の様子や周りの状況がはっきりと認識できないので、運転は緊張する。道に水が流れていたり、未舗装の所があったりして、このまま進んでいいのだろうかと、ちょっと心配になるぐらいの道だった。 帰りの時に通ると、対向もできるまあ心配のない道だったが。 深夜、駐車場に着くと、もう10台ぐらいの車が停まっていた。 奧西車を置き、仮眠場所の道の駅「飛騨白山」に向かう。何台かの車が停まっていた。車の外で寝ている人がいたので、自分も軒下に、花折さんから借りた毛布を身体に巻き、防虫ネットを顔にかぶって寝た。心地よく寝られた。
 
16日(土)
馬狩・大窪の登山口に向かう。花折敬さんがこの辺りだという所に車が1台停めてあった。おじさんが車からバイクを出していた。何でも、バイクで大白川の登山口まで行き、我々と反対方向に回るという。このおじさんとは2日目の途中に出会った。ゴマ平の避難小屋に泊まって、3日目に下山すると言っていた。
標識はないが、大杉と1基の墓があり、その横を踏み跡が上っている。車でこの先まで行っても、白山スーパー林道まで行ってしまったので、戻って、ここしかないということになった。結果はここが正しい登山口であった。

 
 登山口 林道横の空き地に駐車              登山口 大杉と墓石が目印

この登山道は、鶴平新道といい、赤頭山を越えて三方岩岳からの北縦走路に合流する。のっけから、赤頭山までは八百数十mの急登になる。暑くて、風もないので汗がだらだら出る。いつも以上に出る。考えてみると、涼しい北海道に10日間もいたのだから、身体の体温調節がうまくいっていないのかも知れない。 長丁場、急ぎすぎるとバテるのでゆっくりゆっくり登る。ブナ林が日光を遮ってくれるのは幸いである。蝉の声がヤケに騒々しく聞こえる。  網岡さんのピッチが上がらない。先週は仕事で遅くなる日が続いたという。その精かも知れない。 9時10分赤頭山通過。樹林が切れ、三方崩山が左に、白山スーパー林道が右手に、下界のダム、これから進む前方の尾根が俯瞰できるが、その分暑い。前に見えるピークが野谷荘司山であるはずだが、そこまでは結構遠かった。10時13分、野谷荘司山(1797・3m)に到着。幸いにも曇ってきて、涼しい風も吹き出してきた。 この辺りから、ササユリ、ニッコウキスゲ、オオバギボウシ、ゴゼンタチバナ、ツマトリソウ、タカネニガナ、コケモモ、マイヅルソウなどの花々が見られるようになった。
 北縦走路に出たといっても、まだいくつかのアップダウンが待っている。小さいアップダウンを何回か繰り返し、途中湿地のもうせん平を過ぎ、ぐっと登り返すと妙法山(1775・6m)である。


前方の赤頭山から野谷荘司山に向けて歩く。


道脇にはササユリ、ニッコウキスゲなどの花が目立つようになる。
 2日間でこんなにたくさんのササユリを見たのは初めて!!


コバイケイソウ咲くもうせん平


前に見える妙法山をめざして!

目の前にあるのに、なかなか近づかない。妙法山到着は12時16分。 
野谷荘司山から2時間がたっていた。妙法山から先は、道ははっきり分かるが、あまり歩かれていないような感じの道になる。途中から刈り払いがされてなくて、登山道に笹が生えてきていて歩きにくくなった。このままだと2年もすれば道がなくなるのではと思いながら歩いていた。
妙法山からは、急なガラガラ道を下る。結構下って、登り返しになると念仏尾根である。昔、行者が念仏を唱えて修行の白山詣でをしたのであろうか。この尾根は比較的平坦で歩きやすい。再び急降下すると、シンノ谷である。川が流れていて橋が架かっている。確か水場があるはずだがと、花折敬さんが言う。川に降りられない。仕方がない、諦めるとしようか。しかし、少し行くと小さい谷川が流れていた。ここが水場だった。少し浸けるだけで指が痛くなるほどの冷たい水が豊かに流れていた。 喉を潤し、頭にかけ、生き返った。元気が出た。


向かいの念仏尾根に向けて、いったん急降下する。
コルまで100mは下るかな。 だいぶ避難小屋近づいてきた。


シンノ谷の渓流を鉄の橋で渡る。 この先、5分ほどの所に水場がある。

再び元気を取り戻し、最後の登りにさしかかる。だがこの辺りから、道に生えている笹をかき分けるので、先頭の花折敬さんは歩きにくそうである。急登をジグザグに登っていく。疲れもピークだが、最後の登りと思えばがんばれる。
下りにさしかかりあと少しのはずだが、小屋までは思いの外遠く感じた。
水量豊かな小屋の水場を過ぎると、あと50mで小屋である。15:30小屋到着。約10時間を予定していたが、行動時間は8時間50分であった。詰めたら20人から25人泊まれそうなこじんまりした小屋であるが、きれいな小屋であった。夫婦連れが1組いた。中は2階建てで、我々は2階に陣取った。この日は、あと1人来ただけでゆったり過ごせた。
自分は汗でびっしょりだったので、みんな着替えた。サッパリした。この後宴会をして、いつものようにといっては申し訳ないが、花折夫妻に夕食の準備をしていただいて、おいしい鍋の夕食をいただいた。4人だけだと広い2階でゆっくり寝ることができた。


ゴマ平避難小屋 中宮温泉から登る中宮道との合流点にある。


きれいな小屋で、シートも置いてあり、くつろげた。

 
17日(日)
4時起床、朝食、準備をして、5時20分出発。天気は昨日よりも良い。道はすぐに急登になる。約200mの登りである。まず2123・9mの間名古の頭をめざす。朝一番の急登はしんどい。やっとゆるやかな道になり、進んでいくとうぐいす平に着いた。いつの間にやら、間名古の頭は頂上直下を巻いていたようである。振り返ると、あの頂がそうだった。 ここから、地獄覗き、北弥陀ヶ原、2349mピークを越え、お花松原にいたる区間は、さしずめ「お花街道」だ。 ハクサンコザクラ、クロユリ、クルマユリ、キヌガサソウ、ミゾホウズキ、ノウゴウイチゴ、シナノキンバイ、ミヤマキンポウゲ、イワイチョウ、ニッコウキスゲ、ササユリ、ミツバオウレン、ツマトリソウ、アオノツガザクラ、ハクサンボウフウ、オトギリソウなどが群落をつくって、自分たちの美しさと種の勢いを示すように咲き誇っている。見とれて立ち止まり、シャッターを押すことが何度も。我々の山行では珍しい。特に花折敬さんは、熱心に写真を撮っていた。
お花松原を過ぎ、ヒルバオ雪渓までは、アップダウンはあるが、道はなだらかに続いているので、雲上散歩という気分である。 白山山頂もだんだん大きくなってくる。だがそう簡単には頂上までたどり着けない。小屋から頂上までは4回の休憩が必要だった。
8時30分北弥陀ヶ原、ここから遠くに御嶽山、乗鞍岳、穂高連峰から槍ヶ岳が見える。


地獄覗きから
赤茶けた岩肌むき出しの荒々しい地形の地獄谷と大汝峰、剣ヶ峰、御前峰の白山が望める。
 白山まではまだまだ!


ニッコウキスゲ咲くお花畑を歩く花折夫妻
 小さいアップダウンはあるが、花々が気持ちを和ませてくれる。


コバイケイソウ、イワイチョウが咲く北弥陀ヶ原を行く網岡国さん!
こういう高原状の所にくると、ゆったりした気持ちになる!!

2349mのピークを過ぎ、お花松原を下り、ヒルバオ雪渓をゆったりと登る。 稜線に出ると心地よい風も吹いている。太陽は出ているが、そんなに暑くはない。 ここから急登をしんどい思いをしながら登っていくと、白山の頂上部、大汝峰と剣ヶ峰の間に飛び出す。左に翠が池を見て、大汝峰は省略して御前峰に向かう。 10時50分到着。ここまで5時間30分の行程だった。白山頂上部にはビックリするぐらいの人たちがいた。


御前峰 2702m  下に室堂、360度の好展望

ちょっと長めの休憩を取る。 この後、室堂まで下り、多くの登山者で混雑している室堂センターで冷たいジュースを飲み、12時5分下山を始める。 クロユリの群落を見て、大倉尾根を下る。たくさんの登山者が上り下りしている。スピードを上げてかなり速い速度で下る。途中、こんなに大きな花は見たことがないキヌガサソウの群落に出合う。白水湖が見えるがかなり下である。どんどん下る。大倉山避難小屋が途中にある。14時30分駐車場に着く。17日は9時間10分の行動時間であった。


白水湖を見ながら下る。

駐車場には多くの車があるのにビックリ。さらに、温泉もあるのにビックリ。こんな山奥に入りに来る人がいるのか。我々は平瀬の道の駅の温泉に入って帰る。 このルートは歩きごたえがあり、花も多く、よい。また、南アルプス縦走に向けてもよいトレーニングができた山行であった。


山行報告に戻る

TOPに戻る







inserted by FC2 system