初級登山学校実習5

「八ヶ岳・硫黄岳」



硫黄岳頂上

山行日 2012年1月7日(土)〜9日(月)祝
参加者 初級登山学校10期受講生
たぬき班 CL:荒木(明峰)、SL:星野(やましな)、記録:桐山(やましな)、会計:永石(乙訓)
連絡:川端(与謝)、写真:塚本(らくなん)
講 師 田原(伏見)、奥西(らくなん)、坪山(明峯)、浅田(乙訓)
報 告
1月7日(土) 京都駅6:30(バス・高速道)−11:10美濃戸登山口12:00−13:00休憩・美濃戸山荘13:10−14:05休憩14:15−15:27赤岳鉱泉
1月8日(日) 赤岳鉱泉8:00−8:20実技(雪上訓練他)途中場所移動(ビーコン)15:00-15:03赤岳鉱泉
1月9日(月) 赤岳鉱泉7:30−7:51他班アイゼントラブル・待機8:00−8:18休憩8:23−8:35他班体調不良者・2班合流待8:38−9:15休憩9:20−9:51硫黄岳頂上10:00−1-:25休憩10:30−11:15赤岳鉱泉11:40−12:17休憩・アイゼン脱可12:29−12:45アイゼン脱12:51−13:11美濃戸山荘−14:00美濃戸登山口14:20(バス)−14:30風呂15:10(バス・高速道)−京都駅20:15
*八ヶ岳・硫黄岳山行を終えて・・・
 これまで、スノーシューで雪山に出かけたり、近隣の山を6本爪のアイゼンで登ったりしたことはあったので、初めは硫黄岳登山もその延長くらいにしか考えていませんでした。アイゼン・ピッケルのトレーニング、雪崩講習を受けていくにつれ、今まではと違う、今までのような考え方ではだめだと感じ、少しずつ不安が積み重なってきました。
 そのため手当たり次第に、雪山に行った方や山道具の販売員さんなどを捕まえては不安に思っていることを聞いてみましたが(林清野さんには、ホットラインのようにいろいろ教えていただきました。いつもごめんね、ありがとう。)、聞けば聞くほど、話が違うためどんどん混乱、不安が増すばかりで、正直、登山道具の買い出しだけで疲れ切りました。
 また、事前に行った愛宕山が思った以上に苦しかったのも、一層不安を増大させることになり、追い込まれて行った土壇場の自主トレによる肩こり、腰、膝の不調と莫大な不安も抱えての山行でした。
初日はお天気に恵まれ、青い空、キラキラ光る雪の景色にワクワクするものの、トレーニング不足はすぐに顔をだし、肩に食い込むザックの重さで頭の中は「痛い」の文字。休憩をまだかまだかと待ちわびながらの歩行、山小屋に着いたときは心底ホッとしました。
 2日目
 滑落停止やアイゼン歩行等いろいろな練習をさせていただきましたが、とにかく身にしみて感じたことは、聞くこと、見ることとやってみることは全く違うこと。そして、砂の上で歩くことと、雪の上で歩くことは感覚が違うということでした。
 滑落停止等ははじめて体験することでしたので、「やってみると案外難しい。」と上手くいかないことを素直に受け入れられたのですが、アイゼン歩行については、白坂で練習した時に、なんとなくアイゼンを信用して歩けるようになってきた気がしていたので、雪の上では全く勝手が違い、ろくに歩けない状況に気持ちは焦り、「どうすれば?」と考えれば考えるほどわからなくなってきて、不安は絶頂となりました。
 ビーコン操作については、すばやく取り出すことすらできない状況で、全く使いこなせず、「どうすればいいんだろう?」とおろおろするばかりでした。(会の大切なビーコンをお借りしているのに、こんなことでごめんなさい)2回目だから仕方がないと言えば、仕方がないのかもしれませんが、だからといって、事故にあわないわけでもなければ、雪崩が2回目だからと容赦してくれるわけでもないので、地道に、何度も、練習するしかないんだなと感じました。
 初日に引き続き、自分の甘さとトレーニングの大切さをただただ痛感することになりました。


硫黄岳に登った時以外はいいお天気でした。(^^;

 3日目
 これまでの不安と反省で、「小屋で待っていたい・・・」と少々心が折れそうでしたが、「講師の先生が行こうと言うのだから大丈夫。無理と思うならとめてくれるでしょう。」と班の方に言われた言葉を支えに、硫黄岳に向かいました。
 少し登ると、田原さんから「うさぎ班の方のアイゼンの調子が悪く、このまま続けるかどうか・・・」と無線が入り、「帰れる?」とちょっぴり期待してみたり、一人受講生の方が体調不良で途中下山されることとなった時は、少し羨ましく思ったりしながらも、「人生はネタづくり、ネタづくり・・・」と自分に言い聞かせ、また「栗木くんは何を思って、単独無酸素でエベレストに登るのだろうねぇ・・・」と取りとめのないことを考えてみたり、自問自答しながら歩きました。
 もうすぐ樹林帯が終わるというところまで歩いた時、行き違う人の真っ白に凍っている姿に、「どんなところに向かっているの?」と不安に思う気持ちと「おもしろいことになってきた」と楽しむ気持ちが入り混じり、「いよいよ・・・」と腹をくくったのですが・・・あっけなく頂上についてしまい、正直、少し拍子抜けしてしまいました。(夏道のまま道がきていたため、どうやらラッキーなことに楽に登れたようです。)
 頂上についたときは生憎のお天気で、真っ白。肌を刺す冷たい風が吹きすさんでいて、とりあえず写真を撮るだけとって、さっさと降りてしまいました。必死の思いで!?登ってきたのに、ゆっくりせずに降りてきてしまったのは、今となっては少し残念に思えるのですが、とりあえず、無事に登ることができてホッとしました。

 天才的な心配性と体力、技術不足、トレーニング不足等反省ばかりで、達成感はちょっぴりしか感じられませんが、雪山を実際に体験したことにより机上学習等で教えていただいたことやお話に聞いていたことを改めて納得することができた気がしますし、また実際の現場であったからこそ、体験したからこそ、疑問に思ったこと、教えていただけたこと、わかったこともあったと思います。
講師の先生方には、根気よく、丁寧に一つひとつ教えていただき、また、熱い思いやいろんなお話を聴かせていただきました。心より感謝しています。きっとたくさんのご心労を与えていたと思いますが、サポートしていただきありがとうございます。
 また、どんくさいうえに力不足、根性無しな私を支えてくださった10期の皆さまにも感謝です。おかげさまで、あんなに不安だった雪山も終わってしまえば楽しい思い出になりました。ありがとうございました。
                                              (報告 塚本晃子)




山小屋でごちそう♪
   (^m^)


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