山行日 2012年4月28日(快晴)
コース 雨飾高原キャンプ場(小谷村)――荒菅沢(往復)
参加者 花折敬司、花折忍
タイム 雨飾荘(7:05)――キャンプ場(7:55)――荒菅沢手前尾根上部(P1838m東尾根肩1600m付近) (10:20-50)――滑降――荒菅沢底(11:10)――P1838m東尾根肩1600m付近(1本目滑降開始地点)(11:40-12:00)――滑降――P1838m南東側沢状斜面底(12:25-35)――P1838m南尾根肩下(1600m付近)(13:10-15)――滑降――大海川登り口――キャンプ場(14:10-20)――雨飾荘(15:00)
報 告
P1838m 南東斜面を登る4月24日、60歳の誕生日を迎えた。これと言った感激はないが、ついに60になったかとの思いはある。ここ1年、肩の痛みに悩まされ続けているが、1月ほど前から拙いながらも、フリークライミングも再開した。いつまでも若々しくありたいと思うのみである。少なくとも気持ちだけは老けこみたくはない。
さて、ささやかではあるが還暦祝いとして、雨飾山へ山スキーに出かけようということになった。3回目である。小谷村の道の駅で仮眠後、翌朝、登山口へ移動。今日は快晴。雲一点もない。雨飾温泉で通行止めになっていて、そこからキャンプ場までスキーをザックにつけて50分のアルバイトを強いられた。私たちを一組の夫婦が足早に抜いて行った。
荒管沢にドロップインキャンプ場でシール歩行に変える。先の夫婦は大海川を雪の切れているところを巻きながらドンドン川に沿って進んでいく。我々も切れていなければ川沿いにと思ったが、この先、また切れているところがあるかもしれないと考え、夏道ルートを採ることにする。もちろん2mを越える積雪の中なので夏道は雪の下。地図を見ながらである。尾根状を一旦シール登行に変えるが、急になったので再度ザックにつけて壺足で登る。一人のテレマークスキーの若者が我々を抜いていく。彼はP1838mを目指すようだ。我々は雨飾山を目指す。斜面が緩くなったところでシールに変えても良かったが、面倒くさいのでそのまま壺足でドンドン高度を稼ぐ。我々の登っているこのP1838mから南東側に落ちる沢状の斜面はずっと下まで続いていて、滑ってみたいという欲求が強くなる。
P1838mの東尾根肩に登った所で休憩して様子を探る。荒菅沢に落ちる斜面が、かなり急ではあるが滑荒々しい雨飾を背に荒管沢を滑るれそうだ。左上にはピークがいくつかあるがどれが雨飾の頂上かは分からない。荒菅沢を挟んだ向かいには其処に続く急な尾根が垂れ下がっている。何年か前はそれを登り滑った。ここで私たちは雨飾山へ登らず、荒菅沢に滑り下りて底まで滑降し、再度ここまで登り返してP1838m南東斜面を底まで滑り、再再度南尾根の肩近くまで登り返して、滑降しながらキャンプ場まで帰ることに決めた。今回は滑降が目的なので、雨飾山のピークに未練はない。
東尾根の出来るだけ高いところまで移動し、シールをはずして滑降開始。少し尾根上を、雪質を確認しながら滑る。カンカンの太陽に照らされて雪は溶け、非常に重いが、どうにかスキーを回すことができる。これなら大丈夫と荒菅沢側にドロップP1838m(上のピーク)南東斜面を滑るインする。急ではあるが思い切ってターンを繰り返し、沢の中心部に滑り下りる。写真を撮るために振り返ると、荒々しい雨飾山の斜面が圧倒的なスケールで迫ってくる。快晴の元、ここを底まで「気持ちいい。」と叫びながら快走する。沢の首まで降りて、シールを付けて登り返す。最後は急な斜面を慎重にトラバースして東尾根に上がり、滑降開始地点の肩まで登り返す。
目の前には金山・火打山・妙高山が連なっている。景色を堪能しながらゆっくり休憩する。私の還暦を天気と景色が祝ってくれているように感じる一時であった。歩ける限り、登れる限り、山に付き合っていこうと決意を新たにする。
大海川へ続く沢を滑るさて、この後予定通りP1838m南東斜面の滑降を開始する。滑りとしては快適とはいかないが、気持ちいい。今日ここを滑っているのは我々と先の若者一人だけ。それも彼は上部の南側の極一部。北側についているのは我々のシュプールだけだ。長い斜面を、ここも底まで降りる。あまり天気が良すぎて、忍は写真を撮るカメラのモニターが見えずに困っている。ここから再再度、今度は南尾根の肩を目指して登り返す。
上部のブナ林が途切れるところまで登って、最後のブナの木の下でシールをはずして、本日最後となる滑降を開始する。今度は下まで滑ってはいけない。途中、最初に我々の登ってきた壺足のトレースが目当てだ。それ以上下部に行っては、またまた登り返さなければならなくなる。そのトレースまで、ショートターンを繰り返しながら思いっきり滑る。そして、トレースから右のブナ林へと入っていく。新芽が出れば素晴らしいだろうブ降りられなかった滝ナ林の中をターンしたりトラバース気味に滑ったりしながら、登ってきた尾根に出る。我々は登って来る時に、この尾根の南側の沢に滑りこめば大海川近くまで降りれると目視済みだ。但し最下部がどうなっているかは確認できていない。
予定通り、急斜面を横滑りしたりしながら沢に降りて、本日最後の滑降を楽しむ。沢の最下部、1.5mほどの滝が出ていて、降りられない。スキーをザックにつけて少し登り返して尾根に出て、それを大海川に下った。
ここから平坦となった川の雪の上をキャンプ場に戻り、林道を雨飾荘まで下って山行を終了した。この後は、私たちのお気に入りの温泉宿「山田旅館」に投宿と相成った。ゆっくり温泉につかり、山菜中心の十三品もある美味しい夕食と地酒「大雪渓」を楽しみ、八時前には深い眠りに陥っていた。
 二日目はすぐに帰るのはもったいないので、ザゼンソウ群生地などの白馬観光を少しして、かなり遠回りにはなるが前から気になっていた鬼無里にある「奥裾奥裾花自然園今池花自然園」に行った。今日29日が開園日だったらしい。私たちが行ったときにはセレモニーが終わったところだったようだ。車は2kmほど手前に止めることになる。雪があってぬかるんでいるところもあるということで、駐車場の売店で長靴を借りる。そこからバスで自然園手前の峠まで行き、500mほど歩いて自然園に入る。ここは最盛期には81万本の水芭蕉が咲き誇るとのこと。尾瀬以上で、本州最多と言うことである。まだ自然園は雪に埋もれているが、今池では雪の中で水芭蕉が咲き始めていた。白さはまだまだだが、愛らしい片鱗を見せていた。
池を一周して元に戻り、迎えのバスで駐車場に戻り、帰りを急ぐことにする。途中、鬼無里の里でそばを食べようと蕎麦処「鬼無里」に寄るが、待たされること30分。いくら美味しい蕎麦とはいえ30分は長すぎる。美味しさも半減というところだ。それでも満腹になり、上信越道を目指して車を走らせ、信濃町から高速に乗る。休むことなく交替で車を走らせ、9時前に我が家に着き、無事、大満足の還暦祝い山行を終えた。  <ヒヤリハット>無し

滑走コース


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