最強の山オジ・山オバ(平均年齢60.5歳)頑張る!
京都労山の山ボーイ山ガール達よ、このオジ・オバを越えてくれ!


北アルプス 剱岳〜西穂高岳 大縦走

その一

山行日 2012年8月9日(木)−16日(木)  報告:花折敬司
メンバー 花折敬司・花折忍…テント泊組(明峯)
奥西一博・網岡国江・永井(双六まで)…小屋泊組(らくなん)
コース 早月尾根――剱岳――立山三山縦走―― 一の越――五色ヶ原――薬師岳――黒部五郎岳――三俣蓮華――双六岳――槍ヶ岳――北穂高岳――奥穂高岳――西穂高岳

<8月9日(木)晴れ> 行動12時間40分
行 程 馬場島(5:15)――早月小屋(10:10)――剱岳(14:45)――剱沢小屋テント場(17:55)

馬場島を出てすぐの急坂 南北アルプスの長期縦走を始めて今年で3年目となる。昨年、南アルプス主稜完全縦走に成功した余勢を駆っての今年の計画である。
2年前、9泊10日の予定で白馬岳へ栂池から入山し西穂を目指したが、烏帽子岳〜野口五郎岳間で台風に合い、その後も天気が回復せず、結局8泊9日で双六岳から下山となってしまった。そのリベンジもあって、今回は剱岳早月尾根から入って何が何でも奥穂〜西穂間の縦走を果たし、さらに焼岳まで足を伸ばそうと計画した。残念ながらまたまた双六から後が天気が悪く焼岳早月小屋までは剱岳頂上届かなかったが、西穂高までは到達することができた。ここにその報告を2回に分けてすることとする。
馬場島を5時に出発。急登をこなして早月小屋へ。小屋手前の新道は木の根を越えての急坂で、重荷にはこたえる。
早月小屋の少し上で網岡さんの足が何度か攣って心配したが、徐々に回復し事無きを得た。長い長い登りをこなして剣の頂上に3時前に着く。剱沢小屋に小屋組みの夜の食事のお願いの連絡をカニのハサミを越えて入れて下山開始。3人は3週間前にもここを下っているが、その時よりうんと雪は少なくなっていた。6時に小屋着。我々は10分ほど上のテント場に剱岳をバックに剱沢小屋直前テントを張った。テント場は混んでいた。100張りくらいはあっただろうか。初日にもかかわらず行動時間は13時間近くにもなった。よく頑張ったものである。5人ともかなり疲れてはいたが特に問題はなかった。
 
<8月10日(金)晴れ> 行動 8時間35分
行程 剣沢テント場(5:00)――別山(6:05)――雄山(7:40)―― 一の越(9:25)――五色ヶ原テント場(13:35)

剱沢のテント場を後に別山へ別山山頂昨日、初日を13時間近く頑張ったが、今日は天気もよく五色ヶ原までなので気分的にのんびりである。テント場から別山へ直接続く尾根を取る。頂上祠前で記念写真。
ここから真砂岳までは一旦コルまで下りトラバース道を辿る。このコルから以前滑った真砂沢が下まで見おろせる。ダラダラの登りをこなすと真砂の頂上である。ここからも雷鳥沢まで大走り谷を滑ったことがある。
立山大汝山山頂雄山頂上 神社前富士ノ折立へは少し下って急登を登り返す。後は雄山まで、多少の上り下りはあるがほぼ横道となる。大汝休憩所を過ぎて大汝山頂上へ。雄山側から来る人たちとドンドン出会うようになる。雄山への最後の上りで高校生たちとすれ違う。山岳部で四国から来ているとのこと。20名位いただろうか。半分は女子だった。このことからも最近の登山ブームを感じる。
一ノ越前で休憩する小学生の一団一ノ越山荘を浄土山方面へ雄山の頂上は相変わらずの混雑。一の越から往復する人たちでいっぱいだった。ここで次の日からの天気を携帯電話で確認する。明日は曇り時々雨、それ以後は強風予想であまり良くないとの予報。これからの数日はほとんど期待できない。気を引き締める。
雄山から下り始めると、次々と小学生が上がって来る。どうやら地元の小学生の林間学校のようだ。聞いてみると一つの学校だけではなく、何校も一緒のようだ。2〜300人はいただろう。小屋直前で永井さんが転倒。顔と手を擦りむいたが大事なさそうでホッとする。
五色ヶ原山荘を眼下にここから浄土山と龍王岳のコルに出て、五色ヶ原へと向かう。往復だろうか縦走してきたのだろうか、何組かの五色方面から来る人たちと出会う。また、五色へ向かう人たちも結構いる。鬼岳・獅子岳周辺は岩場である。ザラ峠までの獅子岳からの下りは急で梯子も付いている。こんなところをスキーを担いで下ったのかと思い出しながら下る。山スキーの「日本オートルート」は室堂からここを越えて槍ヶ岳まで、結構長いルートである。7〜8年ほど前トレースしたのだが、このような所があったかどうか覚えていなかった。
 佐々成正のザラ峠越えで有名なザラ峠を過ぎて登りをこなし木道に出ると、今日の目標の五色ヶ原は近い。
五色ヶ原への木道五色ヶ原に出て、らくなんの3人と分かれて我々はテント場へ。テント場周辺はハクサンコザクラが咲く湿原状で、なかなか雰囲気のいいところである。ここを目的に訪れる人も多いようだ。既に数張りのテントが張ってある。私達の隣のテントは東京から来た7人組。名前を聞いたことがある某山岳会で、会員は700名位と言う。会報だけでつながっているようである。テントを設営した後、15分くらい離れている五色ヶ原山荘へ行って、らくなんの3名との交流会を持った。交流会とは名ばかり、飲み会である。
  
<8月11日(土)晴れ> 行動11時間
行程 五色ヶ原テント場(4:10)――スゴ乗越(8:42)――北薬師岳(12:33)――薬師岳(13:35)――太郎小屋(15:10)

鳶山 小屋を4時半の出発なので、少し早めにテント場を出発する。鳶山(とんびやま)まではしばらく木道でなだらかである。ここでしか確認されていないという「輪廻草」があるそうだが、私達では確認は出来なかった。昨越中中沢だけ晩小屋にいた富山大の先生の話らしい。 鳶山から越中沢岳までの稜線も全体的に緩やかである。昨日までの予報では、今日は雨の中を覚悟していたが、予想に反して晴れ。時々ガスも出るが、北薬師手前の間山まではカッパをつけることは無かった。
 ここから一旦下ってスゴの頭へと登り返すが、この下りがなかなかのスゴの頭下 バックは薬師岳急坂。写真のように掛かっているロープに頼って下らなければならない所も出てくる。
 鞍部からスゴの頭下までは一登り。スゴの頭は30mほど左手にあるが、これには行かない。ガスが切れてこれから我々が向かう薬師岳が見えてきた。このままスゴ乗越へと下る。大きな石の上を伝っての下りはなかなか疲れるものだ。北薬師岳に到着
 ここからスゴ乗越小屋までは比較的緩やかな登りとなる。小屋に到着すると、途中で私達を抜いていった若い夫婦がすでに休憩を終えて、出発していった。我々はジュースを買って一休みし、いよいよ北薬師〜薬師岳を目指す。
薬師岳へ まずは間山まで。この上りとそれに続く北薬師岳までが長くてしんどい。間山を過ぎた当りで雨がパラパラ来てカッパを着けるが、いつものことだが着けるとやんでしまう。天がどこかで我々を見て笑っているようだ。
 北薬師から薬師までは標高差30mほどなのだが、その間にいくつかのギャップがあり、しかも大きな岩がゴロゴロしていて結構疲れる。「最後の頑張り」と踏ん張り、やっとのことで今日の最後のピーク薬師岳を足下にする。
薬師岳頂上後はひたすら下って薬師峠へ。そこから一登りで太郎の小屋に着く。初日からの早月の長い登りと今日の長い縦走がこたえたのか、連れ合いの体調がいま一であり、今夜は雨の予報なので、テントをやめて小屋泊まりとする。
 
<8月12日(日)晴れ> 行動11時間25分
行程 太郎小屋(4:35)――黒部五郎岳(10:00)――三俣蓮華岳(13:58)――双六岳(15:18)――双六小屋(16:00)

太郎小屋を後に北ノ俣岳へ黒部五郎岳 今日も長い行程である。昨日までの雨の予報は大きく外れ、快晴。昨今の「当たる天気予報」でこんなこともあるものだ。らくなんの双六〜槍ヶ岳を中止したそうだが、予報と現地の天気がこんなにズレてしまうと、判断をした人が可哀そうになる。しかし、我々にとっては願ってもな黒部五郎岳いこと。
花とおじ(い)さん? 奥西さんの体調はあまり良くなかったらしいが顔にも見せない。さすが65歳の青年である。5人とも少しずつ慣れてきて、良いペースで北ノ俣岳、赤木岳と過ぎ、黒部五郎への急登をこなして、肩に荷物を置いて黒部五郎に到着する。大パノラマが我々を待ってくれていた。多くの登山者も、予想に反しての天気だったので、のんびり過ごしていた。
三俣蓮華岳に到着 肩に戻って黒部五郎のカールへと下る。カールの中は大きな岩がゴロゴロしているが草原状で雰囲気がいい。その中を横断して黒部五郎小屋へ。ここがまた雰囲気の良い所に立っていて、一度は泊まってみたいと感じさせられる所だ。丸かじりのキュ―リが水に浮かべてあり、あまりにも美味しそうだったので連れ合いが買ってかぶりついた。
双六岳頂上 トイレ休憩をした後、三俣蓮華への登りに取り付く。尾根に出るまでが急で、まさに最後の力を振り絞ってとなる。2661mのピークまでが辛い。ハクサンイチゲやチングルマが咲き乱れていてここで一時の疲れをいやす。花の中で写真を撮る。「花と叔父さんやね。」「違う違う。花とお爺さんやろう。」などと軽口が飛び交う。
双六小屋横テント場にて 三俣蓮華までは黒部乗越を過ぎて一登り。ここでらくなんの三人に小屋まで先行してもらう。重荷の我々はゆっくりと小屋を目指す。三俣蓮華から双六岳までも、緩やかだが長い。2年前の台風の後の縦走を思い出しながら、黙々と歩く。双六岳の頂上にはお父さん、おばあさんと一緒の小学校3年生の子が、嬉しそうに写真をとっていた。
 双六小屋までは広い草原状を越えて、その後少し急だが短い下り。前回同様テント場にテントを設営して今日の行程を終えた。テント場100張り以上のテントがあった。到着が遅かったので今日の交流は無し。


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