2012夏 北アルプス大縦走

剱岳〜西穂高岳

山行日 2012年8月8日(水)夜〜8月17日(金)  記録:永井(槍ヶ岳まで)
参加者 CL:花折敬  網岡国  永井(槍ヶ岳まで)  奥西  花折忍(明峰)
記 録
 8月8日(水)夜 京都出発 ⇒ 深夜 馬場島着 すぐ就寝ZZZ
 
 8月9日(木) 剱岳
 5:15 出発 → 6:00 1000m地点 → 7:35 1400m地点 → 9:15 2000m地点 → 10:15 早月小屋 着 30 出発 → 11:25 2400m地点 → 1:25 2800m地点 この辺から更に険しく… → 2:25 頂上直下 → 2:40 2999m 剱岳山頂! 360度絶景を満喫しつつも急いで下山開始 → 3:43 前剱前?→5:05 一服剱 → 5:35 剣山荘通過 → 5:55 剱沢小屋 着

早月尾根登り★ふぅ〜〜2200mアップはやっぱきつかった・・・天気も良く景色も最高でしたが、疲れました・・・下り(ヨコバイとか)もきつかったし・・・;でも、剱沢小屋は最高でした!




                   
                  早月小屋を過ぎて

 
あと少しで剱岳                     剱岳  2999m


カニの横這い                剣沢小屋に到着  後ろは剱岳

小屋は、シャワーがあり、遅い食事なのに、嫌な顔もせずおいしい食事を出していただき、おまけに従業員向けのスイカを2キレもいただく。


 8月10日(金) 立山三山 五色ヶ原へ
 4:50 小屋出発 5:00 テント場で合流 → 6:05 別山 → 7:13 真砂岳山頂横 → 8:00 富士の折立 → 8:15 大汝山頂 三山最高峰 3015m! → 8:50 雄山 → 9:30 一の越山荘 → 10:20 竜王岳山頂 → 11:05 鬼岳東面 → 11:45 獅子岳 → 12:45 ザラ峠 → 13:35 五色ヶ原小屋

★今日は、唯一の行動時間一桁の日・・・(つまり10時間を超えない)昨日のシャワーに続きお風呂に入り、サッパリしている私たち♪しかーし、雄山の下り(黄帽がいっぱいいるぅと騒いでいたら)もう小屋目の前・・ってとこでコケた私;恥ずかし・・花折さんにもらったバンソーコがすんごい威力でした!ありがとうございました。

 
大汝山  ちょっとかっこを付けた奥西     一ノ越山荘前で  五色ヶ原へ向けて

 
(左) 五色ヶ原が見えてきた しかし ザラ峠に下りて登り返す。 (右)チングルマいっぱいの五色ヶ原小屋が見えてきた。


 8月11日(土) 薬師岳
 4:30出発 → 5:05 鳶山 → 6:45 越中沢岳 → 8:00 スゴノ頭 → 8:45 スゴ乗越 → 9:25 スゴ乗越小屋 → 11:00 間山山頂…この後、あ、雨;カッパも着ました… → 12:30北薬師岳山頂 → 13:35 薬師岳山頂 → 14:10 薬師小屋通過 きれいになってた!→ 15:40 太郎小屋 着  40000歩だぜ!

★数年前にこのコースを行った時(恐怖!雷雨の薬師岳)と同じ感じで雨が降ってきたのでドキドキでしたが、雷はなく雨も止んでいき、たどり着けるのかッとふあんだった太郎小屋にも着き、ほっと一息…と思いきや、双六・槍コースの皆さんと合流できないことがこの小屋で判明!!槍沢コースの方々は無事下山♪の報告!

 
鳶山2616m通過                越中沢岳2591・4m通過

 
(左)スゴの頭 2431m  振り返れば越中沢岳が  ピークを踏めば必ず下り。次はスゴ乗越まで下る。スゴ乗越小屋まで登り、樹林の中をたらたら歩いて、がれ場を登れば視界が開け、(右)間山2585・2mに着く。ここから、薬師岳の稜線が間近に見える。 北薬師岳2900mに登ってから、薬師岳本峰2926mに着くまでが長い。 岩稜帯の道を小さくアップダウンしながら1時間歩く。



薬師岳 2926m
祠がある。日本の山は、山岳信仰によって開かれたことを物語っている。
網岡さんと奥西は、小屋の手続きのために先に出発。
3時前に到着。

 8月12日(日) 黒部五郎岳 三俣蓮華岳 双六岳
4:35出発 → 4:45 太郎山山頂横 → 6:30 北の俣岳 絶景→ 7:20 赤木岳 → 7:45 中俣乗越 → 9:35 黒部五郎の肩 → 黒部五郎岳山頂 360度絶景♪ → 10:10 肩からカールへ・・・ → 11:50 黒部五郎小舎 → 12:50 黒部乗越手前 お花きれい → 2:00 三俣蓮華岳 → 3:00 双六岳 → 3:42 双六小屋 着   本日も40000歩以上!

★太郎の小屋で、天気下り坂;(BYお金払っての天気予報)と言われてたので雨は覚悟してたけど、いい方に外れて一日めっちゃいい天気♪どこもかしこも絶景、黒部五郎までは槍もきれい〜に見えてました。今年は雪解けが遅かったらしく、お花がこの時期にしてはまだまだいっぱい残っていて、それもとっても和みました。チングルマがどこに行ってもにこやかに迎えてくれました♪そしてこの日・・・晴れていたのに何回もライチョウに出会いました♪かわいい〜

黒部五郎岳をめざし、なだらかな稜線を北ノ俣岳(上ノ岳)2661・2m、赤木岳2622mとピークを越えていく。
多くの登山者とすれ違う。
急登をジグザグに登ると肩に出る。
荷物をデポして、頂上へ


写真の真ん中より右が笠ヶ岳2897m、その右奥が乗鞍岳3026m



黒部五郎岳 2839・6m
 天気も良く、360度の展望
 しんどさも忘れるほど、気持ちが良い!
 明日からの天候悪化がうそのよう!!




黒部カールを下り 黒部五郎小舎へ
大休止!
ここから急登、三俣蓮華岳2841mまでは、降りてきただけ登り返し。


 なかなか厳しい!!
 しんどい中にも、チングルマに囲まれニコニコ顔の おじさん!
 だけど、三俣蓮華岳まではまだまだですよ!!



三俣蓮華岳2841m
小屋組3人は、小屋の手続きのために、先に行く。
丸山を越え、双六岳を経て双六小屋到着。

 8月13日(月) 槍ヶ岳
 5:20出発 → 5:55 樅沢岳 → この後、暴風雨のため脇目も振らず(?)ひたすら進みます; 強風にあおられ飛ばされそう…そして、さ、寒い; 2度ほど休憩しただけで、前進前進・・・ → 
 9:30 槍の肩の小屋到着! 私にとってはゴール!

★きつかった・・・暴風雨・・・小屋が見えた時はホッとしました。山頂にも行かず(花折さんは行かへんの?と山頂を指さしてはったけど…)とにかく小屋であったまりたかったのです; 今日はここに泊まることにし、まったりと過ごしました。(しかしこんな暴雨風の中、トレイルランをしている人たちが・・す、すごい・・・) 




風雨の中、西鎌尾根を行く。
ひたすら岩稜地帯を歩くだけ。尾根と言ってもアップダウンが結構ある。

 8月14日(火)  帰宅=私だけ 皆さんは奥穂に向かってレッツ・ゴー
6:00 小屋の前で皆さんとお別れ…; 新穂に降りるつもりだったけど、雨で増水とかしてたら困るので槍沢を下ることに・・・  一人なのでひたすら下り・・・
11:55 上高地着♪

★一刻も早く帰京したかったので、さわやか信州号を待たず、バスで高山まで出て電車で帰ることに。そして、高山駅で京都(まだ宇治とは分からず)がえらいことになっていることを知る・・・;
 上高地は(横尾あたりから)晴れてたのだけど、後から聞くと上はずっと雨だったそう・・・でも、雨の中見事最後までたどり着かれたそうで、本当にお疲れ様でした☆
(プチ記録 永井)
永井さん 槍沢へ下る

永井さんはここまで。
新穂高温泉へ下る予定でしたが、この天気なので、より安全な槍沢を下ることに!

我々はここから厳しい岩稜帯へ!!
雨の中慎重に、慎重に行こう!!!

 8月14日(火) 雨 強風(12〜13 m/s)> 行動7時間45分
槍ヶ岳山荘(6:00) → 南岳小屋(7:58) → 大キレット最低コル(10:00) → 北穂高岳小屋(11:23) → 穂高岳山荘((13:45)

 雨の中を、南岳小屋に向けて出発。そこに着いてから大キレット越をどうするか判断しようということになった。
 黙々と歩く。ガスで視界はない。黙々と歩くしか仕方がない。
飛騨乗越まで下り、岩稜帯の道を大喰岳3101mに登る。頂上は岩がごろごろした平らなところだ。次は中岳、岩場の急登の最後に梯子があり、そこを登ると中岳
3084mだ。ここも通過し、岩がごろごろしているところを下る。この辺りはずっと岩稜帯だ。ところどころにペンキでしるしがしてあるので迷うことはない。たらたらした登りになり、天狗原への分岐を過ぎるとすぐに南岳3032・7mに着く。
3000m峰を制覇するにはこのルートは必ず歩かなければならない。
南岳から小屋へはすぐに着いた。ここで奥西は、「キツネどん兵衛」を食べる。麺好きの人間にとっては、なんともうまい。すぐにエネルギーに変わりそうと燃えるほどで、力が湧いてくる。それに体が温まる。
雨の中だけれど、寒くはない。それに、濡れた岩にも慣れてきたので、穂高岳山荘まで行くということになった。
しかし、厳しい上り下りがあるので慎重に、慎重に、一歩一歩を進めなくてはならない。
小屋から少し歩くと、岩稜の急な下りになる。厳しいところは鎖や梯子があるが、それでも気をつけなくてはならない。
平行道に変わっても小さいアップダウンがあり気が抜けない。ガスの中を厳しい岩場の登りが近づいてくる。登っていくと、そこが長谷川ピークだった。鉄の棒をうって足場があったりするが、厳しい上り下りである。足を滑らさないように、ゆっくり丁寧に靴をおいて歩む。無事通過しA沢のコルに来る。ここから飛騨泣きと言って、厳しい岩稜帯の急登が北穂高小屋まで続く。ちょっと傾斜が緩くなってもうすぐ小屋かと思いきや、またまた急な登りになる。そんなことを繰り返してやっと、小屋に着いた。ここで食べたラーメンは、本当にうまかった。800円だけれど、地上のラーメンと遜色はない。汁もみんな飲み干した。
北穂の下り、涸沢岳の登りとまだまだ厳しい岩稜帯の登り降りが待っているが、
北穂高岳 3106mラーメンは自分の体に再び力を与えてくれた。
2年前の夏に、前穂北尾根をやり、その翌日北穂東稜を登った。その時、北穂高小屋の真下に飛び出した。そして、南稜を下った。また、もう7〜8年前になるが、らくなん山の会で槍ヶ岳集中をした。その時、前穂高岳―奥穂高岳―北穂高岳―槍ヶ岳の縦走に、小泉、永井、網岡夫妻、奥西の5人で取り組んだ。その時は、奥西以外は、岩の経験はあまりなかった。そんな中で、このルートをよくやりきったものだと、感慨に浸りながら、その当時のことを思い出しながら歩いた。
今回は、雨の中の厳しい岩稜帯の山行をやりきったことが、思い出として強く心に残るだろう。
涸沢岳3110mはすぐ下を巻いて下る。ここからはよく整備された道を穂高岳山荘まで下る。
雨の中なので休憩もあまりとらずに歩いたので、早い時間に穂高岳山荘に着いた。槍ヶ岳山荘は、雨の中多くの人が登ってきたのでいっぱいだったが、ここは、雨続きで登ってくる人は少なかった。

 8月15日(火)雨 強風(12〜13m/s)  <停滞>

雨がしびしび降っていて寒い。今日は1日降りそうである。このコースは、途中に小屋がない。明日は、天気が回復するということである。そんなわけで、停滞ということになった。
 本を読んだり、昼寝をしたりして、1日を過ごした。よい休養になった。

 8月16日(水)雨のち曇りのち晴れ   行動8時間55分
穂高岳山荘(4:50) → 奥穂高岳(5:35) → ジャンダルム(6:42) → 天狗の頭(9:00) → 間ノ岳 → 西穂高岳(10:45) → 西穂山荘(12:43) → ロープウエー駅(13:45)

 小ぶりな雨が降っているが、そのうち止むだろう。
 のっけから梯子場である。ここを過ぎると、淡々とした岩稜の道が奥穂まで続く。





奥穂高岳 3190m
ここにも祠が鎮座
 ここからは馬の背、ロバの耳、ジャンダルムと続く、今回縦走の最大の難所になる。
 奥西は7回このルートに来ているが、逆コースばかりである。濡れた岩の馬の背の下りはどうだろうか、そんなことを思いながら向かう。
 行ってみるといけるもので、高度感抜群であり、相当緊張するが、岩登りをしている身にとっては、足がかり、手掛かりは豊富にあるので難しくはない。
 しかし、やっぱり下りというのは緊張する。逆の時は、何も問題はなかったのに、気持ちがピシッとなる。一歩一歩、一手一手すべらないように慎重に下る。



   これが馬の背
   ピークから下りになる。
   緊張の一瞬!


ここを下るとロバの耳の登りになる。逆の時は、緊張する下りである。しかし、今回は登りなので、そんなに難しくはない。


ロバの耳を行く。



次は、ジャンダルムである。



ガスを通して、ジャンダルムが見えてきた。
薄く浮かび上がる方が圧倒的な迫力である。
見えるほどには、登るのは難しくはない。


中ほどをトラバース気味に向こうに回り込む。ここは鎖はない。
 途中でザックをデポして頂上へ。ガスの中展望はなし。



ジャンダルム 3163m
 ここからも、ずっと緊張の続く、加えて雨に濡れた岩場の厳しい昇り降りが待っている。独標までいくつのピークを踏むのであろうか。名前のついているピークだけで、コブの頭、天狗の頭2909m、間ノ岳2907m、赤岩岳、西穂高岳2908・6m、ピラミッドピーク、独標2701mと続く。そのほかに、小さいアップダウンはいくつもある。
 コブの頭からの長い下りは、ガラガラの岩場の下りなので、落石に注意しなければならない。下りでも緊張の連続である。
 天狗の頭を過ぎ、間天のコルに向けて下っていく途中にスラブ(逆層)の長い下りがある。鎖がつけられている。今までは登りだったが、鎖など使わずに登っていた。しかし、今回は、鎖をつかむまでの1・5mほどの下りに緊張した。手足のホールドが小さく、しっかりかからない。濡れていて滑る。もし、外れて落ちると、スラブをすべって、ずっと下まで落ちてしまう。鎖をつかむまでは本当に緊張した。今回の縦走で、最大の緊張だった。この写真は、スラブの前の下りで、今の話とは違うところである。




間天のコルに下り、間ノ岳に登る。
写真は、岩に「間ノ岳」と書いてあるので、間ノ岳頂上直下の登りである。
 この後、赤石岳を通過して、西穂高岳に到着した。時間的にはまだだろうと言っていたが、頂上にたくさんの人がいて、着いてみると西穂だった。最後はちょっとあっけなかった。





西穂高岳 2908・6m
 ここから一般ルートになるといっても岩場がなので、緊張を解くわけにはいかない。ピラミッドピークや名のないピークなどを過ぎて独標に着く。
 ここまで来たら、もう難しいところはない。空には青空が見え、太陽も出てきた。
 我々の縦走の成功を祝ってくれているようだ。



独標 2701m


2年前は台風に会い、来ることができなかったが、今回は無事到着。
自分たちの大きな頑張りに「バンザイ」






丸山あたりから
降りてきた西穂方面
 13時前には西穂山荘に着き、ゆっくり休憩。
 今日は、穂高岳山荘で予約しておいた「望焼館」へ泊る。昨年、焼岳山行の際に泊まった民宿だ。おかみさんが気さくでよい。8000円で飛騨牛つきのおいしい食事だ。温泉はかけ流し。酒は、好きな酒が買えるから隣の酒屋で買ってきてという。
 電話を掛けると、ロープウエーの駅まで迎えに来てくれるという。ありがたや!
 北アルプス、南アルプスの3年分の長期縦走の打ち上げだ。4人で盛り上がり、17日、花折夫妻に運転を任せ、やりきった感動に浸りながら、花折さんには申し訳ないが、のんびりした気持ちで、家路についた。
 山から下りてきて、宇治が大雨で大きな被害が出ていると知って、びっくりした。

    感 想
網岡国江
 大縦走を始めて今回で三回目となりメンバーもいつもの四人と今年は永井さんが加わり、気心も解っているので気が楽、しかもコースも縦走の準備も良くわかっているのでこれまでのような不安も無く参加することが出来ました。
 ただ初日に足がつってしまうハフニングが有りましたが、それ以外はヒヤリハットも無く西穂まで到着する事ができた事で私の夏山も終わりです。今回の縦走で貴重な経験をする事が出来ました。
 一つは風の中での歩き方(花折さんは13〜15メーター)ですが、横からの風は何とかなるのですが,後ろから突然吹いて来る風だと体が浮き上がってしまいました、びっくりとおどろきの経験です。もう一つは濡れた岩場の歩き方、今までも金毘羅等で経験しているものの,槍ヶ岳から奥穂高岳(キレット越え)奥穂高岳から西穂高岳(ジャン越え)天気が良い場合でもトレーニングを積まなければ難しいルート、不安で仕方無かったのですが,慎重にバランス良く、ルートを確認しながらいけば何とか行ける自信が少しは付きました。しかし緊張の連続で疲れてしまいました
 やはりバリエーションルートは天気が悪い時は避ける事が賢明だと言う事ですネ。
 あと二,三年はバリエーションルートに挑戦したいと思います。
 良き仲間(先輩ばかりですが)にめぐり合えた事に感謝です。


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