薬師岳〜雲ノ平〜水晶岳〜鷲羽岳〜黒部五郎岳


8月29日 鷲羽岳山頂

山行日 2014年 8月26日(火) 〜 31日(日)   
参加者 石田(CL・連絡)、那波(SL・救護)、稲葉(SL・会計)

 
コース 折立を起点&終点にして黒部川源流域の山々を周回縦走するコース
8/26 火 京都15:10発-(サンダーバード)-富山18:04着 富山〈泊〉
8/27 水 折立行き直通バス 富山駅前6:20発-折立8:20着・折立(8:40)→ 太郎平小屋 → 薬師岳山荘(15:50 着)〈泊〉    ◎ 太郎平小屋で「登山届」を提出。
8/28 木 薬師岳山荘(3:55) → 薬師岳2926m → 山荘で朝食 → 太郎兵衛平 → 薬師沢小屋 → アラスカ庭園 → 雲ノ平山荘(14:50 着)〈泊〉
8/29 金 雲ノ平山荘(5:05) → 祖父岳 → 岩苔乗越 → 水晶小屋 → 水晶岳2986m → 水晶小屋 → ワリモ岳 → 鷲羽岳2924m → 三俣山荘(14:15 着)〈泊〉
8/30 土
三俣山荘(4:45) → 黒部五郎小舎 → 五郎カール → 黒部五郎岳2839.6m → 太郎平小屋〈泊〉
8/31 日 小屋(8:00) → 折立 (12:00 着)・ 折立14:00(バス)-富山15:55着- 富山17:11(サンダーバード)-京都 20:09着
                                             記録:石田
2日目
8月27日(水)

 折立~太郎平~薬師岳山荘            天候:曇り一時雨
 6:20 富山発折立行直通バス乗車
 8:20 折立着
 8:40 トイレ・準備を整え出発  木の根の張り出した粘土質の結構な登り坂を行く。両脇にゴゼンタチバナの赤い実が樹林帯に色を添えている。イワウチワの葉が連なり、7月下旬から8月中旬には、白とピンクのかわいい花で登山者の目を楽しませていたであろう。
 9:20 休憩 水分補給 ササの間に50cmほどのミズバショウの葉にビックリ。こんなところに咲くのかと。今は、ハギの一種が小さなピンクの花をつけ登山道を飾っていた。
10:10 三角点に到着。10分休憩。  展望良しとのことであったが、ガスがかかって見えない。
少し下ると、展望が開け花畑になる。イワイチョウの黄葉の中にイブキトラノヲに似た白い花が頭をだし、なんともいえぬ風景だ。登山道の両側は木枠で囲ってあるが、石がゴロゴロしていて歩き辛い。
11:25 5分休憩


五光岩ベンチ

11:50 五光岩ベンチ到着。五光岩見えず通過する。  リンドウがあちこちに顔を見せてくれる。木道になり20分ほどすると
12:40 太郎小屋に着く。ランチと水分補給。登山届を提出。
13:00 出発間際、スコール。小屋に避難、雨宿りする。
13:40 小雨になったので出発。木道が濡れてスリップしやすいので気を付けて歩く。
13:55 薬師岳キャンプ場を通過すると、川沿いの急登のガレ場となる。岩も滑りやすいので気が抜けない。
14:20 10分休憩
15:40 山荘の手前でライチョウの親子が歩いていた。喜んで撮ろうとしたが、動きが早くいい写真を撮るのはなかなか難しい。
15:50 薬師岳山荘到着。乾燥室にストーブが焚かれていた。水は雨水を利用。手洗いはバケツから柄杓ですくって洗う。 10人の客だったので、地元で捕れたマスを夕食にだしてくださった。幸せ!
                                             記録:那波
3日目
8月28日(木)

     薬師岳~薬師沢~雲ノ平          天候:曇り後晴れ
 3:15 起床
 3:55 ご来光を拝むため出発。ヘッドランプを点け「あちらかな?」「こちらと違う?」と時に道を探しながら1時間ほどで頂上に到着。
 5:15 ガスがかかりご来光拝めず、登頂写真を撮り下山する。


薬師岳山頂

 5:50 山荘到着。山荘の朝食を食べる。
 6:40 太郎小屋に向け出発、昨日登った道を降りる。トウヤクリンドウ・ハクサンフウロウ・チングルマ・所々にニッコウキスゲも咲いている。
 8:00 太郎小屋に到着。モーニングコーヒーにホッ。25分の休憩をして出発。
薬師沢への道は殆ど木道で整備されている。
 9:30 第一の薬師沢の木の橋。周辺は緑の中にトリカブトの紫が目に染みる。
 9:35 第二の薬師沢の橋。チングルマの穂・イワカガミの葉が太陽の光に輝いて見える。
ワタスゲが黄葉の海原に頭をもたげ、リンドウがちらほら咲いている。最盛期には多くの高山植物が咲き誇っていたのだろう。起伏の少ない木道を歩く。
10:52 花畑が続く。シシウドも姿を見せる。
11:00 薬師沢小屋到着。水が豊富で美味しい。昼食をとる。


薬師沢小屋

11:25 10mあまりの薬師沢出合つり橋、黒部の本流を渡り終えるとすぐにハシゴ、またハシゴを下り、そして小さな滝の前を3m横歩き、「終わった!」・・と目の前に高天原と雲の平の分岐。この辺りは増水時通行不能となるらしい。「雲の平・急登を登る」展望のきかない樹林帯の中1~2mはある大きな石がゴロゴロ折り重なるゴーロ状の急坂ルートを登る。段差の小さい所を選んで歩くが、大きな段差になること。雲の上に行くには大変だ!
11:55 5分休憩、水分補給。
12:45 5分休憩木道末端に到着!と思ったが、すぐに低木で覆われたゆるやかな登りとなる。
13:50 木道末端?にようやくたどり着く。
14:20 アラスカ庭園
14:34 奥日本庭園 岩と苔、それにハイマツの織りなす景観がそうよばれるのか?もうすぐ小屋に着くだろうとゆっくりお茶をし、写真を撮ったり、景色を楽しむ。眼前に水晶岳が悠然と聳え、周囲には左に薬師岳、右後方に黒部五郎岳、明日泊まる三俣山荘、笠ケ岳等が見渡せる。木道は緩やかな登り坂で目を凝らすが、小屋は見えない。
3時ごろ遠くに赤い瀟洒な別荘?かと思う建物がみえた。20分ちかく歩くとそこが雲の平山荘だった。
15:30 山荘到着。 夕食は、「具だくさん変わり石狩鍋?」サケや、きのこ、にんじん、ゴボウ等入っていて暖かく美味しかった。
                                              記録:那波
4日目
8月29日(金)

    雲ノ平~水晶岳~鷲羽岳~三俣山荘  天候:晴れ
 5:05 朝もやの中スパッツを付けて出発 木道の早朝、雨天は滑り易く、スリップ事故がけがの中で一番多い
 5:25 衣服調整、祖父岳、三俣山荘方面に向かう。
 5:38 スイス庭園分岐、目の前に水晶岳がハッキリ、今日も天気が良い
 6:00 スイス庭園を眼下に、ここはヨーロッパ? 流石日本最後の秘境と呼ばれるだけあって見事な景色だ。お花もヨツバシオガマ・ハクサンボウフウ・トラノオ・イワイチョウ・ チングルマなど沢山咲いていた。
 6:50 祖父岳山頂 展望良好  ケルンが乱立している。
槍はやはり、一番目立つ山だ。
 7:34 岩苔乗越 休憩
 8:00 ワリモ北分岐でデポ 荷物が軽いと足取りも軽やかに、岩場、ザレ場も予定時間で通過出来た。
 8:37 水晶小屋着 ガスが出てくるが、上まで上がって来ない一安心。山頂をピストン、水平な尾根を歩き岩場をひと登りする。
 9:20 双耳峰の水晶岳南峰山頂に到着。快晴 360・見渡せる、剱岳、槍ヶ岳、薬師岳 等 あまりにも絶景に、なかなか下山出来ない。
 9:40 満足した足は軽く、槍を見ながらの下山となる。足元にはトウヤクリンドウ、タテヤマリンドウ秋の花が咲いていた。
10:10 下山 休憩
11:00 ワリモ北分岐、荷物を整え行動食を口に15分出発。風が気持ちよい稜線を歩く。
11:40 ワリモ岳山頂


            スイス庭園                        鷲羽池

12:10 鞍部で休憩。目の前には鷲羽に続く道が、ここを登ればあとは下り。
12:25 ザレ場を登りきって鷲羽山頂に。快晴、槍をバックに写真を撮りまくる。 丁度男性が登って来たので3人一緒の写真をお願いする。ゆっくりの時間 を楽しむ。
13:15 出発して直ぐ鷲羽池が青く輝いていた。
13:45 休憩 眼下に三俣山荘が見える。ザラザラノの急坂を下る、足が痛い。
14:15 三俣山荘着 水がやっと使える、乾燥室に洗濯物が干していたので私も洗って持っていったが、火が入っていない。生乾きをリックに入れる羽目になった。翌日の太郎平小屋では火が入っていて洗濯物が渇き一安心。 夕食はシカのビーフシチューここでもシカの害が増えているそうだ。 処分したシカの肉は需要が少なく大半が埋められているらしい小屋では少しでも協力できればと料理に使っている。
                                            記録:稲葉
5日目
8月30日(土)

      三俣山荘~黒部五郎岳~太郎平   天候:曇り
 4:45 小屋出発 巻道を行く チングルマのわたげに朝露が付いて綺麗だった
雪渓を5分程歩く。
 5:25 水晶岳からの日の出「後1座、無事に登れますように」とお願いする。
三俣蓮華カールのお花畑を歩く。
 6:11 巻道分岐点
 7:10 黒部五郎小屋着 よく冷えた美味しそうな林檎が有った、1個350円
二人で五郎岳を見ながら美味しく頂く。
 8:05 五郎のカール 最盛期の花畑はどんなに素晴らしいか、想像がつく。未だ見応えがある。



 8:45 雷岩着 巨岩が点在する天上の楽園を歩く。
 9:10 休憩 登りに入る
 9:50 肩着 デポして山頂に、岩場急登
10:07 黒部五郎山頂 視界悪し。下山者から「クマを見た」と聞かされ、写真を撮ってすぐ下山する。
10:25 肩着 荷物を整え35分出発、傾斜のきついザレ場をジグザグに下る。
11:30 中俣乗越 休憩
12:25 2575mピーク 霧が出てくる。
12:57 先頭が立ち止まるので何かと思えば、雷鳥の親子がいる。早速カメラを構えるが、なかなかこちらを向いてくれない。



13:11 赤木岳着 標識に雷鳥が多いと書かれていた。納得。
13:45 休憩
14:05 北ノ俣岳着 広い道が続く、迷わないようにとケルンが道沿いに点在していた。
14:15 今日は、このがコースの中で一番長い歩きだ。山はなだらかなのだが、次から次に山が現れなかなか太郎山が、見えてこない。
15:15 太郎山が見えた。しかしまだ延々と木道が続く、4時までには着きたいと気持ちが焦るが、足が痛い。
16:00 太郎平小屋着 予定通りで一安心。 部屋は個室、明日はゆっくり寝られると思ったら、朝食が5時からだった、仕方ない。夕食はビールで乾杯、お疲れ様でした。

今回は、色々なストレッチを教えてもらい参考に成りました。
今後の山行きに役立てようと思っています
                                              記録:稲葉
6日目
8月31日(日)


太郎平~折立~富山-京都 天候:曇り時々晴れ
 4:45 起床 5:00 朝食
 7:10 チェックアウト 小屋は7:30から掃除開始。最後まで残っていたのは、地元・高岡山岳会の一人と私達(3人)のみ。薬師岳山荘やその他の山小屋から「登山者の人数とルート、天気など」の情報が次々と無線で太郎平小屋に入ってきているのが聞こえる。今日は折立へ下山して京都へ帰る日。ゆっくりと時間があるので、ベンチで朝のコーヒーを飲みながら、黒部源流域の山々を周回縦走した5日間を振り返り太郎兵衛平からの眺めを楽しむ。



 8:00 下山スタート
 8:45 五光岩ベンチ(ガスが晴れ岩井谷の向こうに「五光岩」が見えた) 20分休憩
10:20 三角点のベンチ(昼食用の行動食を食べ、長い休憩) 25分休憩
12:00 「折立」に到着! (登りと同じく4時間かけたことになる) 休憩所横に備えてあるブラシで靴やストックの土を落とす。食事、身支度を済ませて



13:40 早い目にバスに乗る。ツキノワグマの親子2頭が林道沿いの森から出てきた!バスの前をゆっくりと横切り、向うの森へと移動して行く。この辺りは、餌探しを子熊に教えるいつもの通り道だそうだ。
バスの中からの“遭遇”で安心感?があったせいか、子熊はぬいぐるみのように可愛く見えた。間もなく、やはり安全のためであろう、向こうの方で爆竹が鳴らされた。
14:00 バス発車。富山15:55着 富山17:11発のサンダーバードに乗り
20:09 京都に着く。
                                               記録:石田

《《  感想  》》
《稲葉》 初めてのロングコース憧れの雲ノ平は、花の盛りは過ぎていましたが、イワイチョウの黄葉が秋を感じさせ、無事四座登頂でき満足しています。
リーダーさん、お世話になりました。

《那波》 山を5日間歩く長丁場の山行は初めてで、その上、1日の行動時間が長く私の膝がもつだろうかと不安でしたが、天気に恵まれ、予定の四座を登頂!!でき、うれしかったです。しかし、下山後の身体は、「オーバーワークだよ〜」と訴えていました。

《石田》 鷲羽岳山頂直下に見えた「鷲羽池」とその向こうに槍穂高! 赤木岳近くで出会ったライチョウの母子たち。 仲間三人で歩き続け、やっと辿り着いた山小屋。
険しくも美しい、いえ、美しくも険しい黒部源流域の山々でした。




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