八ヶ岳山行報告

大同心南陵から中山尾根

山行日 2014年12月20日夜出発〜23日(火)
参加者 CL:花折  網岡W   記録 : 奥西
報 告
昨年の同じ時期に八ヶ岳のバリエーションルートである中山尾根と八ヶ岳大同心稜南稜を計画したが、富士山であった事故でテンションが下がり山行を取りやめた。10年来行っている年末の冬山山行であるが、今年は昨年と同じ内容で取り組むことになった。 いつもは花折忍さんを加えた4人で行っているが、今回は忍さんが足の負傷のために不参加になり、参加者は3人になった。 山行の結果は、今年も敗退ということになった。それは、例年になく雪が多かったということと、天候があまりよくなかったことによる。
 バリエーションルートなので無理は禁物。結論としては、無雪期に同じコースを登り、ルートをよく知ってから再び挑戦しようということになった。

20日(土)
花折車に、19時30分奥西、20時網岡国をピックアップしていただき出発。中央道を順調に走り諏訪湖SAに0時ごろ到着(仮眠)。周りは真っ白で例年より雪は多そうである。12月に繰り返し寒波がやってきたので雪が多いのは当然か。 車の中で天気の話になった。花折さんのスマホの天気予報のサイトでは、八ヶ岳は風が強いが晴だという。しかし、奥西が出発の日の夕刊で見た茅野の天気予報が曇りや雪マークにかわっていた。高層天気図を見ると、上昇流があったり、湿り気が高かったりあまり良い天気図ではなかった。 結果としては、頂上部は風が強く、ガスがかかって雪がちらつく天気であった。

21日(日)
今日は赤岳鉱泉のテント場へ行くだけなので6時30分とゆっくり目に起きる。
美濃戸口まで来ると、美濃戸への林道は「チェーンが必要」との指示。ここに車を置くと1時間弱歩くことになるので、「今までの経験から、多分無しでも行けるのと違う」ということになり突っ込む。まあ、特に問題なく美濃戸に着く(8時20分)。だがビックリ。駐車場は満杯。道の広くなった所にも車が。何とかスペースを見つけ駐車。 ここも雪で回りは真っ白。
9時出発。ザックが重い。いつもは4人なのに、今回は3人。共同装備がその分重くなる。それに、赤岳鉱泉までは2時間30ほどなので、食事を贅沢にしようということで食材を増やす。花折さん「トーフも持ってきたで」。そんなわけで奥西宅の「鍋」よりも具だくさんだった。もちろん嗜好品の飲食物もいつもより多い。 おまけに、岩稜帯の登攀をするので50mロープ2本やいろんなガチャ類がある。そんなこんなでザックは久しぶりに20数kgになった。 「うーん。重い。」
40分ほど歩いたところで花折さん「車の冷蔵庫に肉を忘れた。」ザックを置いて取りに戻ることにする。肉のない鍋なんて味気ない。2人は先に進む。やっぱり重いザックはしんどい。それで、途中2回休憩をとったが11時30分、赤岳鉱泉に着く。重い荷物だったが。予定通りの時間だった。 途中から眺めた横岳は真っ白。岩があまり出ていない。雪が多い。 テント場もほとんどテントでいっぱい。やっと見つけて網岡さんは整地。奥西は花折さんを迎えに行く。12時30分花折さんとテント場に到着。今のところ晴。
テントを立て、休憩の後、明日登る予定の大同心稜南稜の取り付きまで下見に行く。13時30分に出発。大同心沢に入るとトレースがある。トレースをたどり急斜面を1時間ほど登ると、3人グループが下りてきた。大同心稜を4時間ラッセルして小同心クラックを登ってきたという。大同心稜南稜のことを聞くと、そこも真っ白で誰も登っていなかったという。それに稜線は風が強い。 14時ころからガスがかかってきて風も吹いてきた。 状況が分かったので、取り付きまで行くのは「やめ」にして15時にテント場へ戻る。
 赤岳鉱泉を行者小屋の方へ少し行ったところに「水場」があったはずだということで見に行くが見つからなかった。雪から作るのは手間なので、小屋で水を買おうということになり行くと、タダで分けてもらえるという。ありがたい、ありがたい。
 夕食は「重い」思いをして持ってきた豪華鍋で宴会。明日の天気が良くなることを願って夢の中へ。

22日(月)
4時起床。準備して6時30分出発。花折さんのスマホのサイトの天気予報では、頂上は「晴」なのに、ガスがかかって視界は悪い。これでは多分登れないだろうということで、一番に登りたい大同心南稜を明日にして、今日は中山尾根に取り付くことにする。とにかく取り付きまで行って判断しようということになった。21日に、中山尾根に行った人に網岡さんが聞くと、風がものすごく強かったので、取り付きまで行って戻ってきたという。7時15分中山乗越(15分休憩)。中山尾根に取り付くが、踏み跡があるのでひどいラッセルはない。昨日登った人の踏み跡であろう。樹林帯を抜けると下部岩壁が見えた。ガスがかかっているが何とか写真を写せるぐらいの視界はある。だが、踏み跡もここまで。 



雪はたっぷり。上の方では風を切る音が聞こえる。ちょっと我々の力量を越えていると判断。登攀は取りやめとする。9時40分中山乗越に戻る(10分休憩)。10時15分テント場に着く。赤岳へ行った人も風が強いので途中で降りてきたという。 時間も早いので、ジョウゴ沢のアイスクライミングができる滝を見に行くことにする。踏み跡に従って沢に入るが一向に滝が出てこない。20分ほど登って間違ったということになり戻る。さらに先の沢がジョウゴ沢であった。間違った踏み跡はどこに行っているのだろう?
 下部の小滝と上部の大滝で1組ずつアイスクライミングをしていた。
「山城・山の会」にいた時に小滝でアイスクライミングのまねごとをしたことを思い出した。
 早い時間にテントの中に入ることになってしまったので、長い宴会になった。今夜も豪華鍋。

23日(火)
4時起床。6時30分出発。今日の天気は徐々に良くなっているが、稜線は強風。おまけに、大同心稜南稜は花折さんも初めてということなので、雪で真っ白のルートではピンの位置もわからない。さらに、現在はまだガスがかかっている。というわけで、大同心稜を標高差400m登り、南稜の取り付きを見るということにして、登攀具を持たずに出発。大同心稜は途中からなかなかの急登。樹林帯を抜け、岩場を登って取りつきに8時50分に来る。まだガスがかかっている。取り付きは岩場を右に回り込んだところと確認して戻ろうとすると、急にガスが切れてきてみるみる視界が開け、青空になってきた。すると、息をのむような景色が目に飛び込んできた。ふわふわの雲かと思う大同心のドーム。



 谷を挟んでこれも真っ白の小同心。赤岳鉱泉からは何度も見ているが、こんな間近に見られるとは。すごい迫力で迫ってくる雪景色みて、身震いするような感動を久しぶりに味わった。いつまでも眺めていたい気分になる。また阿弥陀岳や赤岳もきりっとした姿で青空の中に聳えている。
今回は登攀が全然できなかったが、この景色を見て、来た値打ちがあると思った。



9時30分下山にかかり、雪道の急降下なので飛ぶように降りる。 10時にテント場着。1時間でパッキングをして11時出発。12時30分駐車場着。温泉で汗を流し、一路帰路へ。順調に走り京都へ。
 何時ものことながら、花折さん、食料などの諸準備・運転ありがとうございました。
 また来年を楽しみに!!




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