剱岳・立山三山



山行日 2015年7月26日(日)~28日(火)
目 的 ①立山三山・剱岳に登頂するとともに岩稜歩行の基礎技術の練習を図る。
②泊を伴う山行の知識と実際を学ぶとともに会員の親睦・交流を図る
参加者 奥西(CL)、稲葉(渉外)、竹田(SL)、池上(SL)、那波(会計)、石田(記録)、猪飼(記録) 7名
コース
26日(日) 近鉄大久保-立山ケーブル前駐車場-室堂-雷鳥平-別山乗越-剱山荘(泊)
27日(月) 剱山荘-剱岳-剱山荘(泊)
28日(火) 剱山荘-別山-真砂岳-富士の折立-雄山-室堂-立山駐車所-帰京
報 告
剱岳は飛騨山脈北部、富山県立山連峰にある標高2999m。岩と雪の殿堂と呼ばれ一般登山者が登る山のうちでは危険度の最も高い山とされている。今回のルートは別山尾根から一服剱・前釼を通り本峰へ登る。カニのタテバイ、カニのヨコバイの難所もあり、こうした岩場は雨や霧の日には滑りやすくなる。今回は台風も接近しており出発日を延ばすことも考えられたが出発日前日になりようやく予定通り剱岳に向うことになった。
 
  1日目 7月26日(日)
午前3時に車で近鉄大久保を出発。立山駅では日曜日のため駐車場を確保するのに30分ほどかかったが8時30分のケーブルカー、40分室堂行のバスに乗ることができた。車窓から剱岳が見えたときはほかの山と異なり黒っぽく緑がまったくない。どっしりとして横綱の風格を感じた。室堂で休憩9時50分に剱山荘に向う。雷鳥沢の登りでは風が無く蒸し暑く水分補給を何回もする。剱御前で剱岳の雄姿が目にとびこんできた。剱山荘に着くまで雪渓を数回通過して13時55分に到着。シャワーで汗をながし恒例の反省会をする。明日は午前中晴れの予報。
 
  2日目  7月27日(月)
剱岳登頂の日、5時前に起床、天候は晴れ、5時に五竜岳頂上より太陽が出る。
行き 剱山荘6:05 → 一服剱6:45 → 前釼7:55 → 平蔵の頭8:40 → カニのタテバイ9:10 → 剱岳10:00
帰り 剱岳10:45 → カニのヨコバイ11:05 → 平蔵の頭 → 前釼12:30 → 一服剱13:30 → 剱山荘14:05
途中にトイレが無いので済まして出発。最初のピーク一服剱へ、今日の長い工程を想い一歩一歩踏みしめゆっくりとすすむ。小さな雪渓を通り最初の鎖場にくる。足場はしっかりしているので鎖が無くてもよい。各鎖場に番号があり①~⑬。場所によって登り下りの専用ルートに分かれている。40分ほどで一服剱に着くが目の前に前釼が大きく立ちはだかりここからでは本峰はみえない。前釼までは約60分そして「落石注意」の看板、浮石も多く足場はもろい。事故は本峰よりも前釼の方が多く発生しているとの事下りルートを通過したとき、上部に登山道あり落石注意と書かれていた。前釼手前の急な登りになると浮石ばかりが目につく。鎖場が連続してやっと前釼に到着。



ようやく剱がみえた。本峰、八ッ峰、源次郎尾根、早月とどこも岩ばかり。平蔵の頭に向かうと鎖場の手前に手すりも何もない3m程の短い橋があるが風の強いときは少し緊張するかもしれない。平蔵の鎖場は横に移動、岸壁を回りこんでいくのでバランスが大事。垂直の岩場を進むがこれからはこのような岩場が次々とあらわれる。岩場を登った後はすぐに下り平蔵のコルに、ここから登りの難所カニのタテバイ見えてくる。ここはよく混雑するが私たちは小屋を最後に出ているのでスムーズに順調よくすすんでいる。タテバイの取付き点からはるか上部にカニのヨコバイを通る人が眺められた。



いよいよカニのタテバイにはいる。一定の間隔を保って登る。岩場で練習をしてきた三点支持を守り緊張感をもって落石をしないようにホールドも足場もしっかりしているので鎖に頼らず上へ上へと、どれだけの時間がかかったのだろうか無事通過をする。最後のガレ場も終わり山頂の祠が見えてくる。10時に剱岳山頂全員無事に着く、小屋を出て4時間。
山頂からの大パノラマが心地よい疲れを癒してくれる。目の前に八ッ峰、源次郎尾根が、白馬から鹿島槍、甲斐駒などが一望。富山から能登半島まで。これだけ一度に見られるのはもったいない気持ちになる。登山のうれしさ楽しさにどっぷりとつかった山頂での45分。そろそろ下山の時刻、10時45分出発下りにかかる。



最初はもうひとつの難所カニのヨコバイ。垂直の岸壁をくだる、チラっと下を見たが高度感がすごい。落石をしないようゆっくりとバランスに注意して下る。ヨコバイの取付き点では最初の一歩の足場が見えづらい不安になるがこれまでの岩場の練習が助けてくれる。ここを通過すれば足場は広いので比較的に楽になる。次は垂直のハシゴ、ひとりが終わると次のひとり。ヨコバイを下ったところが平蔵のコル下り専用のルートを歩く。前釼まで戻ってくると難所は終わったようなもの。この気持と足の疲れも重なり下山路でのスリップ転倒の事故が多いのにつながるのだろう。
剱岳の往復は鎖場の連続とアップダウンが激しく浮石やガレ場が最後まで続く。体力や忍耐も必要だがそれ以上に岩に慣れることの重大さがよくわかった。何事もなく14時5分に山荘に戻りシャワーの後は本来の反省会をした。

  3日目  7月28日(火)  雨のち一時晴れ、曇り  (記録:石田)
前夜遅く雨が一時は激しく降っていたが、朝になるとほぼ小雨になっていた。
5:30の朝食時、奥西CLより「天候は午後には回復する見込みだが、午前中は雨の予報なので、当初の立山の三山縦走を変更し、雷鳥沢から室堂へ下ることにしよう」との提案があり、全員了解する。
 6:25 「剣山荘」を出発。 雪渓を6ヶ所越えて「別山乗越」に向かう。
 7:25 小休憩。ここで雷鳥の親子3羽に出会う。
 7:45 7つ目、8つ目の雪渓を超える頃、雨が止んで空が晴れてきた。
 7:55 剣御前小舎のある別山乗越に着く。すっかり空は晴れて、「剱岳」の全姿が現れた。前日歩いた「別山尾根ルート」がはっきりと分る。岩稜を鋭く張り出した「八ツ峰」、「源次郎尾根」も見える。
まさに“岩と雪の殿堂”、圧巻の山容だ。予報より早く天気が回復してきたので皆で話し合いをし、当初の計画通り立山の三山を縦走することに決定。
 8:25 別山乗越を出発。
 8:55 「別山南峰2874m」 休憩15分(〜09:10)
カッパ、スパッツを脱ぎ、ザックカバーも取り外して収納する。 剱沢、剱岳の素晴らしい景色を眺める。薄い雲がベールのようにかかって透けて見え、剱岳が優美な姿を見せてくれた。まるで絵画のようだった。
10:00 「真砂岳2861m」に着く。 この頃、辺りはガスで真っ白になる。登山道左手に大スケールの「内蔵助カール」(2013年氷河認定) 稜線にチシマギキョウがたくさん咲いていた。
10:50 「富士ノ折立2999m」 休憩15分(〜11:05)
11:20 「大汝山3015m」の大汝休憩所
11:50 「雄山」(さすがに登山者がたくさん!)雄山神社のあるピーク(3003m)には寄らず、一等三角点(2991.8m)で休憩15分(〜12:05) さあ、いよいよ下山。たくさんの人が登ってくるので、落石させないようにガレ場、ザレ場を慎重に歩きながら雄山を下っていく。
12:45 「一ノ越山荘2705m」 この日は地元の小学生の大集団が立山(雄山)登山をしていた。
その小学生達に負けず、逆に私達の方が追い越して行く。
「室堂」まで7ヶ所の雪渓を歩く。(雪解けが遅く、花はまだ・・)
13:25 「室堂バスターミナル2420m」に着く。
13:50 の臨時バスで「美女平」へ 15:00のケーブルで「立山駅」へ
15:15 奥西車の待つ駐車場 亀谷♨「白樺ハイツ」でお風呂に入り、16:40出発。
17:40 立山IC  17:40 小矢部川SAで夕食  多賀SAで休憩
21:40 宇治東IC 奥西さん、運転をして頂き有難うございました。 〜 お疲れさまでした 〜

   メンバーの一言感想いろいろ
カニのタテバイ、ヨコバイも 岩歩きを練習しておいて良かった。
しんどかった。緊張の連続だった
カニのヨコバイは意外に短かった。
剱岳山頂からの見晴らしは天気が良くて素晴らしかった。
源次郎尾根、八ツ峰を山頂からはっきりと見ることが出来、素晴らしかった!
剣山荘での温水シャワーの後の生ビールが美味しかった!!
剱岳の山頂に立ち、360度の大パノラマの山々を見て次の目標が決まった。
カニのタテバイが終わっているのに気付かず(まだ続いていると思い)、鎖のない岩場をさらに上へと登りかけ、CLさんを驚かせてごめんなさい。
素晴らしい岩稜帯を見ることが出来て良かった。
金毘羅の岩トレのお蔭で、剱の岩の難所も落ち着いて登り下りが出来たと思う。
CLさんの
コメント
◎  天気が良かった。 ◎ 岩のトレーニングをしておき、役立った。
◎ 計画通りに剱岳と立山の三山に登れて良かった




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