八ヶ岳「中山尾根・大同心南稜」


山行日 2015年12月24日(木)〜26日(土)
参加者 花折m(CL)、花折w(明峯)、網岡w   報告:花折m
記 録
<24日(木)晴れ>
京都(6:30)……(11:40)赤岳山荘――(14:00)赤岳鉱泉
 奥西がお父さんがなくなり不参加となったので、3人で京都を朝出発。赤岳山荘まで車で入る。今回は駐車している車も少ない。赤岳鉱泉までの荷物は重たい。ほんの2時間と言うことで、食料をぐっすり持った。女性二人もフーフー言っている。「もう無理。」と言う頃、赤岳鉱泉に着く。



天気が悪いということで一日遅らせたが、これが失敗か。穏やかな天気だった。大同心がすっきりと見えている。昨年とは大違い。雪が少ない。10分の一くらいだろうか。すぐテントを張ってもぐりこむ。テント場もガラすきだ。

<25日(金)曇りガス後夕方晴れ>
テント場(5:50)――(7:50)取り付き(8:30)――(9:30)1ピッチ終了――(10:20)2ピッチ終了(10:40)――(11:30)取り付き――(13:00)赤岳鉱泉
 出発後すぐ、忍が寝起きからふらつきがあり、リタイア。網岡国と二人で取付きを目指す。ところが網岡もピッチが上がらない。いつもならすぐ後ろをくっつくようについてくるのに、どんどん間が空いてしまう。どうやらこちらも調子が悪そうだ。
取付き手前で登攀具をつけ、網岡が前で、コンテで取り付きまで移動するが、どうも体調が悪いようだ。直前まで仕事で休みがなく、疲れがたまっているようだ。
岩稜を登った所にペツルの良い支点があり、上を見ると簡単そうに見える上に、中間にこれまたペツルがある。これを登ろうと言うことで、花折がトップで取り付く。
簡単そうに見えるので分厚い手袋で取り付くが、ホールドが甘くて登れない。一旦降りて、手袋を薄いオーバー手袋と中間の手袋に変えて、再度上り直す。右に移る所が非常に微妙だったが、何とか乗り越す。後は簡単なリッジを終了点まで登る。ここは本来もっと右の凹角状を登らなければならないのだったが、あまりにも正面のフェースが簡単そうだったので、取り付いてしまった。



フォローの網岡を確保しながら待つが、さっきの所で全く動かない。引っ張り上げようとするが、どうにもならない。相当苦労しているようだ。後で聞いたところ、右へ行ったり左へ行ったりと、色々工夫するがどうにもならず、「もう無理。」と何回叫んだことかとのこと。2〜30分ほどもがいていただろうか。なんとか乗り越し、簡単なリッジに出たようだが、そこから後もスピードが上がらない。どうも調子が悪いようだ。1ピッチ目に2人で何と1時間もかかってしまう。
2ピッチ目、花折リードで左の草付のフェースへ。出だしが少しいやらしいが、フェースへ出てしまえば、後は木にランニングを取りながら、ピッケル使ったりして簡単に稜線に出る。木を支点にして、ピッチを切る。
やはり、網岡のピッチが上がらない。出だしの左に移る所で苦労している。それでも何とか登ってきたが、この後の登りに自信が持てないという。時間はまだ早いし、ゆっくりなら登れるだろうが、時間は相当かかるだろう。引き返すならここしかない。進めば登るしかなくなってしまう。下から登ってくる人もないので、リーダー判断でここから引き返すことにする。
懸垂2回で取り付き点に戻る。ところがここでハプニング。ロープを引いていたら、突然動かなくなってしまった。どちらのロープを引いても全く動かない。抜き差しならないとはこのことだ。仕方なく、花折がプルージックで登り返す。途中で結び目が岩の間にひっかかっていた。最初はロープ2本で懸垂したのだが、1本で懸垂できる距離だったので1本にして懸垂し、回収できた。引いている途中で抜き差しならなくなるというこのようなハプニングは初めてだった。
テント場に戻ると、宮井・村上の二人が来ていた。これから赤岳主稜の下見に行くということで出発して行った。忍の体調もほぼ回復していた。ホッとだ。仮眠後、二人が帰って来たので、交流会を持った。昨日の水炊きの材料がたくさん残っていたのと今日のおでんで、5人で前夜祭を壮大にやった。

<26日(土)曇りガス時々小雪 強風>
テント場(7:00)――(8:30)取り付き(8:50)――(9:10)1ピッチ目途中敗退――(9:40)大同心手前の安全地帯――(10:45)テント場(11:30)――(13:00)赤岳山荘駐車場
今日は忍も大丈夫ということで、明るくなってから出発。大同心沢に入り、大稜心稜へ登っていく。急な樹林をどんどん登ると大同心稜の尾根に出る。ここから更に急登を登ると、目の前に大同心の壁が見える。壁に触れるところまで登り、右にトラバースする。昨年と違い、今回は雪が少なく、トラバースも簡単にできる。30mほど行くと太いロープがぶら下がっている。ここが南稜の取り付き点だ。 



天気が悪く、風が時間と共に強くなってきている。すぐにロープを出して準備をし、花折敬が取り付く。ゴロゴロとした岩の斜面で、どこでも登れそうだ。適当に登って行く。20mほど登るとおおきな岩に太いロープが2重に巻いている所に着く。更にその先10mほどの所に終了点だろう、ロープが垂れ下がっているのが見える。そこに行こうと稜線に出ようとすると、風がすごく強くこれ以上進むのはやばいと感じるくらいだ。しばらく思案するが、今日はここまでと判断する。3人パーティーの上に、この上に行くと更に風が強くなるだろう。昨年に続き今回も敗退だが、こういうこともあるだろう。支点はしっかりしているが、カラビナを一つ残置して万一のことを考えて、クライムダウンする。取付きに戻り、トラバースは念のためにロープをつけたままして、時々、ふらつくような風に吹かれながら安全地帯まで戻る。
岳鉱泉に戻りテントを撤収して帰ろうとする時、赤岳主稜の二人も戻ってきた。やはり1ピッチ目が終了した地点で風が強く、進むことができなかったという。燃えている二人だったので行っているだろうと話していたが、戻ってきて正解だと思う。
2人はアイスキャンデーでアイスクライミングをして下山すると言うので、我々は先に下る。原村の「もみの湯」で汗を流し、諏訪南インターへ出るまでに「山の恵」と言う蕎麦屋があったので入る。とてもおいしい蕎麦で大正解。これからも多分ここに来ることになるだろう。
今回は、2コースとも敗退してしまった。1日目を無理してでも行っておけばと言うのは、後からのこと。こんなこともあるだろう。現地での判断を正しかったとしておこう。




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