奥穂高岳 南稜 登攀

山行日 2019年9月7日(土)
参加者 CL:花折m 花折w(明峰) 網岡w 記録:奥西
コースタイム 5:30 岳沢小屋テント場発(4時起床)~6:50 雪渓の横から登攀開始(2330m)~7:10「下の小滝」~7:40三俣で休憩 ~8:20左ルンゼを詰め、下部岩壁に来る。岩壁沿いに踏み跡あり。右上していく。懸垂下降地点に来る。~8:50懸垂下降終了~ 急な草つきを直登~モノリス岩を過ぎ、トリコニー1峰に来る。1か所、ロープで確保9:55~ナイフリッジ通過~10:10トリコニー2峰は、横の草つき・ハイマツ帯を巻く(3峰はルート上から離れているので見て通過)~急な岩壁・ナイフリッジ2か所通過~11:00懸垂下降地点~11:15懸垂下降完了~やさしい岩場を登り、続いてガレ場を登り~11:45南稜の頭(つり尾根のルート上・奥穂高岳まで10~15分ほどのところ)12:10~13:30紀美子平13:40~15:10岳沢小屋着
報 告
今日は、昨日の畳岩に続き、バリエーションルートの奥穂高岳南稜に取り付く。明るくなったのでテント場を出発。今日も良い天気。テント場横の岳沢を登って行く。
  
大岩がゴロゴロした沢を行く。前方には、雪渓が見えている。見上げると3つの鋭鋒のトリコニーがはるか上に見えている。雪渓があるところに来るが、雪渓の横のガレ場をけっこう歩いていくことができた。途中雪渓の下をもぐり、ガレ場に出て、今度はアイゼンを付けて雪渓を歩いて取り付き点に来た。右手には滝沢大滝と言って、見事な柱状節理の大岩壁が屹立している。
  
左のルンゼを登って行く。手も使って登らなければならないほどの急登である。すぐに、下の小滝に来た。5mほどあり、お助け紐があるが、ホールドも細かいので、先頭の花折敬さんが安全のためロープをセットする。
 さらに登って行くと、上の小滝に来た。ここは特に問題なく登れた。そうしてルンゼをどんどん登って行く。振り返ると、霞沢岳。焼岳、乗鞍岳が眺められる。はるか下には河童橋も見える。
やがて、三俣の所に来た。我々は一番登られているという左ルンゼを登ることにした。どんどん急登を登って行くと、下部岩壁の下に来た。前もっていろんな記録を調べているが、岩壁のちょっと手前を右手にトラバースしているようである。その踏み跡が分からなかった。ここにも踏み跡があるので、踏み跡をたどって登って行くと、崖に突き当たった。花折敬さんが、目の前の壁を登ったが行けそうにないという。
古い記録の概念図を見ると、15mの懸垂下降地点にやってくると書いてある。我々は古い記録の踏み跡をたどったようである。懸垂下降して草つきルンゼに降りるということにする。急斜面を、ハイマツや草をつかみながら登って行くと、やがて、岩稜帯に入ってくる。岩稜帯を登って行くと、写真で見たモノリス岩が見えてきた。トリコニー1峰にやってきたようである。たいがいの人は1峰のチムニーを登るようだが、我々はその左の岩を登った。さらに3mほどの垂直の岩の所に来た。お助け紐はあるが、ホールドが細かいので、念のためロープを出すことにする。この後慎重に岩場を下り、ナイフリッジを通過し、トリコニー2峰に向かう。
  
トリコニー2峰は、鋭鋒の横のハイマツ帯に踏み跡があったのでそこを通過した。3峰は、ルートから離れているので、見るだけ。 この後、急な岩場やナイフリッジを慎重に通過し、懸垂下降地点に着く。
 ここを通過すれば、あとは、やさしい岩場(それでも結構急)を登り、急なガレ場を、疲れた足を必死に動かして登って行くと。南稜の頭に着いた。 6時間15分の行動時間であった。
ここは、つり尾根のルート上にあり、10~15分で奥穂高岳の頂上に行ける。当然だが、西穂からジャンダルムを通過して奥穂に至る稜線、前穂高岳、明神岳、北穂から槍ヶ岳の稜線、焼岳、霞沢岳、1週間後に行く乗鞍岳、蝶ヶ岳から常念岳の稜線等々が眺められる。みんな懐かしい山々である。
4人とも何回も奥穂の頂上は踏んでいるのでパスし、つり尾根を下山ということにする。紀美子平からは、登ったルートがそこに見えるので、みんなで確認する。いつもバリエーションルートを振りかえって思うが、よくこんなところを登ったものだと我ながら感心する。
この後、鎖や梯子が頻繁に出てくる重太郎新道を下り、岳沢小屋のテント場に着いたのが15時10分。行動時間は9時間40分であった。
この後、登攀を成し遂げた乾杯をして、今日は再度ここで宿泊。
翌9月8日(日)5時起床、6時50分下山。あまり早く降りても温泉が開いていないので、ゆっくり歩き9時に上高地のバスターミナルに着いた。  
 タクシーで平湯温泉に戻り、日帰り温泉に入り、夕方に帰京。
 いつものことながら、計画、食料等の準備、車の運転等に花折夫妻にお世話になりっぱなし、感謝、感謝。
右の写真:写真の左側が畳岩、その右(真ん中)の尾根が、こぶ尾根(6年前に登った)。
その右が、今回登った奥穂高岳南稜

右上の、一番高いピークに登っている尾根が奥穂高岳南稜 紀美子平からの写真



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